若い世代に人気を集めている「VTuber」は、具体的にどのような活動をしているのでしょうか?VTuberの定義やなる方法、関連する仕事についても紹介します。VTuberになるメリットとデメリットも、押さえておきましょう。
「VTuber」とは
ネット上の動画や企業とのコラボなどでよく見かける「VTuber」とは、具体的にどのような人を指すのでしょうか?一般的な定義を解説します。
「バーチャルYouTuber」のこと
VTuberは、「Virtual(バーチャル)」の「V」とYouTuberの「Tuber」を組み合わせた略語です。「バーチャルYouTuber」とも呼ばれます。
バーチャルのアバターを使い、YouTubeで動画投稿・ライブ配信をする人がVTuberです。一般的に動画投稿者本人は顔出しせず、2次元または3次元のアバターが動画上に現れます。
「YouTuber」は、動画投稿サイトであるYouTubeに動画を投稿する人を指し、VTuberとは異なり投稿者本人が顔を出しているケースがほとんどです。
YouTube以外で活動するバーチャルタレントも
VTuber(バーチャルYouTuber)は元々、YouTubeで活動する「キズナアイ」などが使い始めた言葉といわれています。そのため、YouTuberのみを指す言葉となっていますが、動画投稿・ライブ配信ができるサイトはYouTubeだけではありません。
アバターを使って動画投稿・ライブ配信を行う人は、投稿サイトの種類を問わず、広い意味で「VTuber」と呼ばれます。サイトごとに固有の呼び方をされるケースもあるものの、アバターを使って配信している点は同じです。
VTuber以外に、バーチャルタレント・バーチャルアイドル・Vライバーのような呼び方をするケースもあります。
VTuberの活動や仕事内容
VTuberは主に、どのような活動を行うのでしょうか?基本的な活動と、仕事内容を紹介します。仕事として検討している場合は、適性があるかどうかを確認しておきましょう。
動画の投稿やライブ配信を行う
VTuberは動画投稿・ライブ配信による広告収入や、視聴者からの投げ銭で利益を得ています。そのため、主な活動はインターネット上での動画投稿・ライブ配信です。
収入面だけでなく、知名度向上やファンサービスのためにも、動画投稿・ライブ配信は欠かせません。
アバターを使うため、リアルな場での活動は少なく、インターネット上での活動が中心となります。動画・ライブの内容は決まっておらず、それぞれのVTuberが企画したものです。
本人の得意分野や視聴者の傾向によって異なり、トークや歌、実況など多彩な内容があります。
企業とのコラボやグッズ販売
VTuberの中には、企業・自治体とのコラボやグッズ販売を行う人もいます。有名なVTuberは若年層における知名度が高く、企業・自治体にとっても魅力的な存在です。
すでに知名度が高いVTuberが抜擢されるケースや、企業・自治体がプロデュースするVTuberを起用するケースもあります。
ただし、企業とのコラボやグッズ販売は、全てのVTuberが行えるものではありません。動画投稿・ライブ配信で収益を得て有名になった人や、事務所に所属するVTuberが中心となるでしょう。
VTuberになるためにできること
VTuberとして活動するためには、まず何をすればよいのでしょうか?目指す方法を紹介します。個人で活動する方法や、事務所に所属する方法など、目的に合わせて選びましょう。
アバターを作成し動画を配信する
アバターを作成し、YouTubeなどの投稿サイトで動画を配信すれば、誰でもVTuberになれます。収益化しているかどうかは、VTuberの条件ではありません。
たとえ利益を得られていない状態でも、何らかの動画投稿・ライブ配信をしているのであれば、VTuberと名乗れるでしょう。
利益を得るには動画の内容を工夫し、知名度を上げ、ファンを増やすための努力が欠かせません。投稿の前に魅力的なアバターを作成するなど、下準備も重要といえます。
VTuberのオーディションに応募する
VTuberとして利益を得たいと考えている場合は、オーディションへの参加が近道です。オーディションは、才能がある人材を発掘する目的で行われます。
合格すると事務所にプロデュースしてもらえることが決まっているため、個人で活動するよりも利益を得やすくなるでしょう。
事務所に所属すると、魅力的なアバターの使用や、動画撮影に適した環境も提供されます。「アバターの作成や動画編集は難しいけれど、VTuberになりたい」と考えるのであれば、オーディションへの応募を検討しましょう。
オーディションはさまざまな事務所が開催しており、開催時期は会社によって異なります。情報を小まめに調べ、条件に合うものがあればチャレンジしてみましょう。
VTuberに必要なスキルや資質
VTuberとして活動し利益を得るには、スキルや資質が必要です。活躍するために求められる、スキル・資質を紹介します。
企画を立案するアイデア力
視聴者に楽しんでもらうため、動画・ライブ配信の企画を考える力がVTuberには必要です。他のVTuberとの差別化や、安定した利益を得るためにも、質の高い企画を考えなければなりません。
常に新しい企画を生み出し続けるには、アイデア力が必要です。新しいことへの興味や得意分野に関する探究心など、さまざまな方面への知識欲も求められるでしょう。
企業が全てを用意し台本を読むタイプでなければ、VTuber本人が企画を考えることになります。個人での活動と事務所への所属のどちらであっても、欠かせない能力となるでしょう。
トークで人を引き付ける能力
VTuberは、動画・ライブ配信で話す内容が重要です。アバターを使うため顔出しがなく、演じる本人ができるのは原則「話すこと」に限られます。
場合によっては合成音声を使うケースもあるため、重要なのは話の中身です。視聴者に楽しんでもらえるよう、トークを盛り上げていかなければなりません。
視聴者とのコミュニケーションを円滑に進めるため、コミュニケーション能力も求められます。相手が聞いていて心地よい話し方を心掛け、楽しめる内容を考えられるかがポイントです。
自分だけの個性や得意分野
VTuberとして人気を集めるには、他人にはない魅力が求められます。誰にも負けない得意分野や、他の人には出せない個性があると、視聴者からの応援も得やすいでしょう。
VTuberとして何をしたいかにもよるものの、歌やゲーム実況などを選ぶ人も多くなっています。
自分の得意分野を生かすために、目標を持って活動する意識も大切です。目標を持てば、企画の方向性や視聴者への対応にも影響が出てくるでしょう。
VTuberになるメリットとデメリット
もしVTuberになった場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?目指す前に、メリットとデメリットを把握して、自分に向いているか判断する必要があります。それぞれ、主なものを確認しましょう。
普段の自分とは違う姿で仕事ができる
VTuberは、YouTuberや芸能人とは異なり、キャラクターになりきって仕事をします。普段の自分とは違う姿と性格になりきるため、素の自分を出す必要はありません。
キャラクターの性格と本人の性格が一致しているケースもありますが、個人での活動であれば、アバターの外見・性格を自由に設定できます。本来の自分とは違う外見・性格のキャラクターを演じられるのは、VTuberならではのメリットです。
また、動画・ライブ配信者でありながら顔を出していないため、プライバシーを守れるのも特徴といえるでしょう。
利益が出るとは限らない
VTuberが仕事を始める場合、アバター作成や動画編集のための機材・外注の費用がかかります。全部自分で担当できるとしても、必要な機材はそろえなければなりません。
事務所に所属すると初期費用がかからないケースもありますが、収益の一部は会社に渡すことになります。
必ずしも、本業として自立できる程度の収入が得られるとは限りません。利益が出なかったり、本業の収入としては足りなかったりする可能性もあります。
仕事として検討している場合は、浮き沈みが激しく、競争率も高い職業である点を理解しておきましょう。
VTuberを支える仕事には何がある?
VTuberは競争率が激しく、活躍し続けるのが難しい仕事です。もし「VTuberに関わる仕事がしたい」と考えているなら、関連する職業を目指しましょう。主な仕事と、特徴を紹介します。
VTuber本人を支える「マネージャー」
VTuberをプロデュースする事務所や企業では、所属するVTuberをサポートするためにマネージャーを募集しています。
マネージャーの仕事は、VTuberに関する雑務やイベントでの立ち合いです。事務処理や代理としての交渉、営業などさまざまな仕事を任されます。
仕事内容が幅広く、1人で複数人のVTuberを担当してサポートする場合も少なくありません。VTuberに興味があり、魅力的な人材を支えたい人にとってはおすすめの職業です。
資格・学歴を求めない事務所も多く、比較的求人に応募しやすいのも魅力といえるでしょう。
アバターをデザインする「デザイナー」
VTuberの分身となるアバターは、VTuber本人だけでなく、本職のデザイナーが作成するケースが多くなっています。
平面のイラストを担当するイラストレーターや、動画で使用する2次元・3次元モデルを作成するCGデザイナーなど、職種も多様です。
イラストレーターやデザイナーになるには、美術の基礎やCGモデルの作成技術を身に付ける必要があります。元々のセンスに加えて、専門学校や通信講座で基本スキルを学ぶ人が多いでしょう。
アバターに動きをつける「エンジニア」
エンジニアは、動画編集やアバターのモーション作成などで活躍します。身に付けているスキル・技術によって関わる範囲は変わりますが、VTuberの動画作成に欠かせない役割です。
エンジニアになるには、ITに関する知識・プログラミングスキルが必要です。しかし、未経験OKの企業も多いため、やる気があればスキルがなくても転職できる可能性もあります。
VTuberの動画作成に関わる会社に就職するか、別の分野で動画編集の技術を身に付けてから転職する方法が一般的でしょう。
VTuberに関連する仕事を探してみよう
VTuberは、アバターを使って動画投稿・ライブ配信を行う仕事です。しかし、必ずしも利益が出るとは限りません。
VTuberに関わる仕事で、安定した職業に就きたいと考えているなら、関連する仕事を探してみるのもおすすめです。「スタンバイ」でも、VTuberに関連する仕事が探せます。
VTuberを目指しながら、アルバイトや正社員の仕事を探したいと考えている人も、スタンバイを活用して仕事を探してみましょう。