理学療法士として働きながら、副業を始めることを検討している人もいるのではないでしょうか?理学療法士の専門性を生かせる副業を、個人契約・アルバイトに分けて紹介します。副業をせずに収入を上げる方法や、病院以外の転職先も見ていきましょう。
理学療法士におすすめの個人契約の副業
専門性の高い理学療法士には、時間を調整しやすい個人契約の副業がおすすめです。まずは、理学療法士の知識・スキルを生かせる個人契約の副業を2つ紹介します。
同業・一般向けのセミナー講師
リハビリの専門家ともいえる理学療法士の知識・スキルを活用し、地域の住民向けにセミナーを開催するのも1つの方法です。
人生100年時代を快適に過ごすために、健康を維持する運動・ストレッチなどに興味を持つ人が増えてきています。
理学療法士としての経験が長い場合は、1人の先輩として同業種向けにセミナーを開催する方法もあります。実体験をもとにして仕事に役立つ知識・患者への対応などを話すと、同業者から喜ばれるでしょう。
セミナーを開催する際には、自治体・保健所などを通すのがおすすめです。自治体・保健所を通したセミナーは信頼性があるため人が集まりやすいのはもちろん、講演活動につながる可能性があるからです。
知識を生かせるライター業
報告書・症状報告・論文などで、長い文章を読んだり、書いたりすることに慣れている理学療法士は多いでしょう。国家資格として知られる知識を生かし、記事の監修者として活躍する方法もあります。
健康・医療などの生命に関わる分野の記事には、特に高い信頼性が求められます。そのため、記事の信ぴょう性を確かめるために、専門的な知識のある医療関係者などに記事の監修を依頼するメディアは少なくありません。
そのほか、理学療法の領域に関する本の執筆をサポートしたり、スポーツジムで配るパンフレットの作成に携わったりするのも1つの方法です。
安定性のある副業アルバイトもおすすめ
個人契約の副業は働き方が自由な反面、仕事・収入が安定しにくいのが難点です。副業で継続的に収入を得たい場合には、雇用が安定しやすいアルバイトを検討してみてはいかがでしょうか?
別の施設で非常勤として働く
理学療法士として、勤務先とは違う施設の非常勤職員として働く方法もあります。理学療法士が在籍する職場は、医療機関だけではありません。
高齢者が利用するデイサービスや、利用者の自宅を訪問して介護サービスを提供する訪問介護など、働き方・仕事の種類も幅広いのが特徴です。
「スタンバイ」でも理学療法士の資格を生かせる仕事の求人をたくさん掲載しています。週に1回などの短時間勤務が認められている求人もあるので、検索してみてはいかがでしょうか?
スポーツジムのパーソナルトレーナー
理学療法士の知識・スキルは、フィットネスの業界でも求められています。リハビリで培った技術を生かし、スポーツジムのパーソナルトレーナーとして、トレーニング・エクササイズの指導をすることも可能です。
ダイエット・健康維持の目的で利用する人が大半のため、相手に合わせて運動メニューを組んだり、食事に関する指導・アドバイスを行ったりする場合もあります。
パーソナルトレーナーは、アルバイトのほか、フリーランスとして個人契約で仕事を請け負うことも可能です。
副業をする際の注意点
理学療法士としての本業がある人が、副業を始める場合には覚えておきたい注意点があります。思わぬトラブルを防止するためにも、副業をする前に注意点を確認しましょう。
職場で副業が認められているか
経済産業省が推進する多様で柔軟な働き方の取り組みには、副業も含まれています。しかし、本業がおろそかになるという懸念から、副業を認めていない企業は少なくありません。
そのため、副業を始める前には、勤務先の就業規定などで、副業が禁止されていないかを確認することが大切です。
就業規定に違反すると減給・降格などのペナルティを課せられる恐れがあるので、忘れずに確認するようにしましょう。
副業でも確定申告か住民税の申告が必要
副業で収入を得る場合にチェックしておきたいのが、所得税・住民税に関する注意点です。所得税においては副業で収入を得たとしても、年間で20万円を超えなければ確定申告をする必要はありません。
ただし、住民税は例外で、金額にかかわらず副業で1円でも収入があった場合には、住民票のある自治体へ書面を提出する形での申告が必要です。
なお、副業としてアルバイトをしている場合には、アルバイト先に年末調整をしてもらえる可能性があります。年末調整・確定申告のいずれかを行うと、住民税の申告は不要です。
副業をしないで収入を上げる方法もチェック
副業をすると収入を増やせる代わりに、自由な時間が削られてしまうのも現実です。体・心の負担を減らすためにも、副業をしないで収入を上げる方法を2つ紹介します。
働いている施設での昇進
日本理学療法士協会の調査から、2022年3月時点で理学療法士の63%以上が病院・診療所などの医療施設に勤務していることが分かっています。
理学療法士が働く臨床の場における役職は、主任・係長・科長などが一般的です。役職者の立場になると、従業員の管理・教育などの業務が加わるため、役職手当が支給されます。
当然ながら収入も上がるため、副業をする時間を使ってコーチング・マネージメントについて学び、昇進を目指すのもおすすめです。
参考:統計情報|協会の取り組み|公益社団法人 日本理学療法士協会
開業できる資格を取得して独立
理学療法士としての経験・知識などを生かし、独立してデイサービス・セミナーの運営会社を開業する方法もあります。
ただ、理学療法士の資格には「開業権」がないため、起業する際には柔道整復師・しんきゅう師のような開業権のある資格が必要です。
また、理学療法士の資格者であっても、医師の指示がないのに医療保険を適応した理学療法を提供することは認められていません。そのため、整体院を開業したとしても、保険診療ではなく自由診療になる点にも注意が必要です。
理学療法士の資格を生かせる転職先は?
理学療法士の資格を生かして働ける場所は、医療・介護施設以外にもあります。理学療法士の経験・専門性などを役立てられる転職先を2つ紹介します。
福祉用具や医療機器などを扱うメーカー
高齢者が使う歩行器のような福祉用具や、医療機器などを扱うメーカー企業は、理学療法士が活躍できる転職先の1つです。理学療法士の専門的な視点から、商品の効果を確かめたり、必要に応じて助言をしたりする仕事が一般的です。
また、バリアフリーの住宅営業としても、理学療法士の経験・スキルが生かせるでしょう。患者のリハビリに携わってきた理学療法士の経験を踏まえてバリアフリー住宅の快適さ・利便性などを説明すると、さらに説得力が増すと考えられます。
ケアが必要な子ども・親を支援する福祉施設
理学療法士が関わるのは、リハビリを必要とする高齢者だけではありません。障がいや、発達に特性のある6~18歳までの児童・生徒が利用する「放課後デイサービス」でも、理学療法士としての専門性が生かせます。
また、障がいのある子どもが通う「児童発達支援センター」で働くのも1つの方法です。児童発達支援センターでは日常生活の自立支援・機能訓練を行うほか、遊び・学びなどを通して子どもに幅広く関われます。
理学療法士の資格・経験を生かせる仕事は豊富
専門性の高い国家資格として知られる理学療法士は、セミナー講師・記事の監修などの副業がおすすめです。また、別の施設でアルバイトをしたり、スポーツジムでパーソナルトレーナーをしたりして活躍する方法もあります。
副業をせずに収入をアップさせたい人には、理学療法士の資格を生かして転職するのも1つの方法です。
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身体と心の運動に取り組み、予防医学の実現を目指す予防運動療法講師。理学療法士として医療・介護分野にて臨床経験を積む中で、病気になってからよりも、病気にならないようにする事の重要性に気付き、予防医学の実現のためにヨガとピラティスのスタジオを立ち上げる。自らまとめ上げたファンクショナルローラーピラティス®︎やエボリューションウォーキング®︎の指導者育成をはじめ、執筆活動、各種講演、日々の運動指導に携わる。
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