フロントエンドエンジニアはつらい仕事?やりがいと転職のメリットも

プログラミング・ウェブデザインの両方に携われるフロントエンドエンジニアの仕事がつらいというのは、本当なのでしょうか?大変さ・やりがい・向いている人の特徴・転職するメリットなど、幅広い視点からフロントエンドエンジニアの仕事を解説します。

フロントエンドエンジニアがつらい理由は?

頭を抱える男性

(出典) photo-ac.com

フロントエンドとは、ウェブやアプリでユーザーが直接触れる部分を指した言葉です。フロントエンドエンジニアは、ユーザーが画面上で目にするフロントエンドの設計・構築を担当します。

まずは、フロントエンドエンジニアの仕事がつらいといわれる理由を確認しましょう。

関わる業務・必要な知識が幅広い

フロントエンドエンジニアの仕事は、仕様に則った開発をおこなうだけでなく、ユーザの目に触れ操作を行うユーザーインターフェースのデザインと開発を行います。そのため、ほかのエンジニアに比べて携わる業務が幅広いのが特徴です。業務の幅が広い分だけ覚える知識・仕事量も増えるため、フロントエンドエンジニアの仕事にストレスを感じる人もいます。

フロントエンドエンジニアが担当するウェブやアプリなどのユーザーインターフェースは直接ユーザーの業務に直結するため、ユーザーの業務が変わったり、使い勝手を改善するためにフロントエンドエンジニアが追加修正の対応に迫られるケースが他のエンジニアに比べて多いのも特徴です。

フロントエンドエンジニアの主な仕事は、ディレクターからの指示を受け、ウェブデザイナーが作成したデザインを実際のWebサイトやWebアプリケーションの形で実装し画面として表示できるようにすることです。また、Webアプリケーションの開発に於いては、システムエンジニアが設計したバックエンドシステムが提供するAPI(略称:Application Programming Interface)と連携し、情報を取得したり処理を要求するプログラミングを行います。

ただ、人手が足りない企業や規模の小さいプロジェクト、ウェブデザイナー・ディレクターの仕事をフロントエンドエンジニアが担当するケースや、フロントエンドエンジニアがバックエンド側の処理まで含めて対応することも珍しくありません。

バックエンドエンジニアとの比較

「フロントエンドエンジニアの仕事がつらい」と感じる理由の1つに、バックエンドエンジニアの存在が挙げられます。

ウェブやアプリの動作には、ユーザーに見せる部分とサーバーの両方が欠かせません。そのため、ユーザーに見せる側を担当するフロントエンドエンジニアに対し、サーバー側を担うバックエンドエンジニアが存在するのです。

どちらもシステムやITサービスの動作に携わるエンジニアのため、比較されやすい傾向にあります。さらに、バッグエンドエンジニアが担当するのはシステムとしての機能が実際に実装されるサーバーサイドの業務ロジックの開発であり、業務ロジックをAPI経由で呼び出すフロントエンドのアプリケーションよりも高く評価される傾向があります。

業務量が多くて大変な上に、バックエンドエンジニアの方が高く評価される傾向があるため、フロントエンドエンジニアの仕事に困難さを感じる人も少なくはありません。ただし、あくまでそういう場合もあるというだけで、実際の現場ではフロントエンドとバックエンドの両方が上手く連携してはじめてシステムが動作するので、両方とも等しく重要といえます。

フロントエンドエンジニアのやりがいを確認

パソコンでのデスクワーク

(出典) photo-ac.com

フロントエンドエンジニアの仕事は大変だからこそ、ほかのエンジニアでは経験することが難しいやりがいがあります。フロントエンドエンジニアの仕事ならではのやりがいを2つ紹介します。

人と連携して制作物をつくる喜び

ユーザーが目にするユーザーインターフェース部分を担当するフロントエンドエンジニアは、エンジニアの中でも特にシステムを実際に利用するさまざまな業務のユーザーと関わる仕事です。多くのユーザーと連携しながら開発を行う経験ができるのは、フロントエンドエンジニアの大きな特徴といえます。

システム開発においては実際にシステムの機能をユーザーに提供する部分の開発であり、インフラエンジニアやバックエンドエンジニアなどと分担して行った開発業務が最終的に目に見える形で動作するため、大きな達成感も味わえます。

さらに表示部分を担当するだけあってクライアント・ユーザーからの直接の評価も届きやすく、また自分の作った物が使いやすさに直結することからも、より便利で使いやすいサービスが完成した際の喜びも大きいでしょう。

最先端の技術・ツールなどを使う機会が多い

フロントエンドエンジニアが担当するユーザーがに触れるユーザーインターフェース部分は、特に使いやすさが求められる部分です。ユーザーの満足度を高めるためには、最新の技術・ツールやUI/UXデザインの知識などを駆使して業務にあたる必要があります。

Webやアプリケーション開発の領域はとりわけ技術の進歩が早く、ほかのエンジニアと比べて、最新の技術・ツールなどを使う機会が多いことも、フロントエンドエンジニアのやりがいといえるでしょう。業務の中でIT技術の進化に触れられるため、新しい技術を取り入れる楽しさがあります。

フロントエンドエンジニアに向いている人

パソコンを見ながら考える男性

(出典) photo-ac.com

どのような人が、フロントエンドエンジニアに向いていると考えられるのでしょうか?フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴・理由を、仕事内容を踏まえて解説します。

急な変更・トラブルにも柔軟に対応できる

フロントエンドエンジニアの仕事はユーザー・クライアント側に直接届く分、急な画面仕様の変更や・トラブル対応などを迫られた際に柔軟な対応を行う姿勢が重要です。

システム開発の半ばや完成後に、クライアントからデザインの変更・修正の依頼を受けることは少なくありません。もちろん変更や修正依頼を受けるか否かは独断ではなく、契約の範囲やプロジェクトマネージャの判断の元ではありますが、フロントエンドでは急な変更対応が求められることが多いと言うことは念頭に置いておくとよいでしょう。

また、たとえ自分では気に入っているデザインであったとしても、ユーザーのクレームや・クライアントの要望に合わせて、より利用者に寄り添ったデザインに変更する柔軟性も必要になります。

人とのコミュニケーションが得意

人とのコミュニケーションが得意な人は、フロントエンドエンジニアに向いています。フロントエンドの設計を行う際や、アフターフォローをしたりする際には、クライアントとやり取りをする場面も少なくないからです。

また、システムのユーザーインターフェース部分を担当するフロントエンドエンジニアは、ほかのエンジニアたちとの連携が重要になる仕事です。バックエンドエンジニアなどと連携し、どのようにフロントエンドと連携するかを仕様として合意し、開発後の試験で双方の仕様の意識違い等を無くす必要があります。

なお、エンジニアはリモートワークが多い職種のため、メール・チャット・ウェブ会議など、オンライン上で効果的に他者とコミュニケーションが取れることも重要です。

フロントエンドエンジニアに必要なスキル

プログラムのコードを確認する

(出典) photo-ac.com

フロントエンドエンジニアの仕事内容・やりがいなどを知り、転職への思いを強めた人もいるのではないでしょうか?フロントエンドエンジニアの仕事はユーザーとの距離が近い分、求められるスキルにも特徴があります。

コーディングのスキルは必須

フロントエンドエンジニアの主な仕事は、コーディングを行ってユーザーインターフェースのデザインをWebサイトやWebアプリケーションとして実装することです。コーディングとは、マークアップ言語やプログラミング言語を組み合わせてコードを作成する作業を意味しています。

コーディングで使われる言語は、HTMLなどのマークアップ言語やCSSと呼ばれるスタイルシート言語、JavaScriptなどのプログラミング言語が一般的です。また、Webアプリケーション開発においては、JavaScriptを使ったプログラミングを効率的に行うためのJava Scriptフレームワークを用いることが多く、AngularやReact、Vue.jsなどが有名です。

フロントエンドエンジニアとしての転職を目指す場合、Webサイトの構築だけであればHTMLやCSSの知識のみで対応できますが、Webアプリケーションの構築まで行えるようになる場合は、JavaScriptを用いたプログラミングに関する知識やスキルが必要になります。

UI・UXの知識も重要

デザインの部分に携わるフロントエンドエンジニアは、UI・UXデザインについても理解しておく必要があります。

UIは「ユーザーインターフェース」の略語で、表示方法・デザイン・レイアウトなどユーザーに対して何を表示して、どういった操作を提供するかと言った画面デザインです。一方UXは「ユーザーエクスペリエンス」の略語で、ユーザーがサービスなどを通じて得られる、使いやすい・わかりやすいといった体験のデザインを意味します。

使いやすいUI/UXのデザインがどういうものであるかというデザインパターン、或いは使いづらいUI/UXに関するアンチデザインパターンを学ぶ事は、ユーザーが使いやすいWebサービスやアプリの構築に役立つため、フロントエンドエンジニアとして是非身につけたい知識です。

フロントエンドエンジニアに転職するメリット

履歴書と封筒とペン

(出典) photo-ac.com

フロントエンドエンジニアに転職すると、どのようなメリットが期待できるのでしょうか?転職にフロントエンドエンジニアを選ぶメリットを紹介します。

未経験からチャレンジしやすい

フロントエンドエンジニアに転職するメリットには、未経験からでも始められやすい仕事内容が挙げられます。フロントエンドエンジニアが担当するのは、Webやアプリのデザインや実際に動作する形で実装するコーディング作業が中心です。

フロントエンドのコーディングに使われるのはHTML・CSS・JavaScriptのような習得が比較的容易な言語が中心のため、未経験からでも挑戦しやすい職種といえます。

また、フロントエンドエンジニアが担当するユーザーが触れる部分には、デザインの知識が欠かせません。優れたデザインが行えるフロントエンドエンジニアはどこにいっても重宝されるため、活躍の幅を広げられるのもメリットです。

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キャリアアップできる仕事もたくさん

ユーザーとの距離が近く、バックエンドとの連携も行う必要があるフロントエンドエンジニアは、幅広い知識が求められる分、キャリアアップの選択肢も豊富です。

フロントエンドエンジニアのキャリアアップとしては、フルスタックエンジニアがは有力な候補のひとつです。

フルスタックエンジニアとは、フロントエンドとバックエンドの両方の知識・スキルを兼ね備えた技術者です。ユーザーの求める機能を、UIからバックエンド処理まで通して設計や開発が行えるフルスタックエンジニアの需要は大きく、今後のキャリアの選択肢が大きく広がります。

フロントエンドエンジニアには魅力も多い

パソコンを持つ男性

(出典) photo-ac.com

フロントエンドエンジニアは、システムの中でも特にユーザーに触れるユーザーインターフェース部分を担当します。多くの業務に関わる大変さがある反面、使いやすいシステムをつくったときの喜び・達成感は大きいでしょう。

フロントエンドエンジニアの主な仕事は、ユーザーが使いやすいUI/UXのデザインを行い、それをコーディングして実際にWeb画面やアプリとして実装することです。

基本的なマークアップ言語やプログラミング言語でコーディングするスキルがあれば、未経験からでも挑戦しやすい魅力的な職種といえます。

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北真也
【監修者】All About デジタルガイド北真也

モバイル業界のシステムエンジニアとして18年以上勤務し、サーバやネットワークのインフラ構築から大規模システムのプロジェクト管理、設計、開発まで幅広く携わる。自身が主宰するブログ「Hacks for Creative Life!」と「アシタノレシピ」、勉強会「東京ライフハック研究会」にて実践的な仕事術を研究・発信中。
All Aboutプロフィールページ

著書:
新時代のワークスタイル クラウド「超」活用術
シゴタノ!手帳術―クラウド&スマホ×アナログ手帳で人生を楽しく自由にする方法