医療事務の資格は独学で取得できる?資格の難易度や勉強法を紹介

キャリアアップのために医療事務の資格取得を検討している場合、働きながら学べるのか気になるところです。独学で取得できる医療事務の資格はいくつかあり、働きながらでも十分挑戦可能です。資格ごとの難易度や効果的な勉強法も紹介します。

医療事務の資格は独学でも取得できるのか

問題集

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医療事務の仕事に資格は必須ではありません。しかし、資格を持っていると転職で有利な上、実務に役立つ知識も身につけられます。

医療事務資格の多くは独学でも受験可能です。試験までのスケジュールや勉強法を考えるためには、各資格の難易度も知っておく必要があります。詳しく見ていきましょう。

多くの資格が独学でも受験可能

医療事務の資格は、全て民間団体や学校が認定する民間資格です。医師や看護師などの国家資格と違い、取得していなければ仕事ができない資格ではありません。

医療事務資格の種類は数多く存在し、学歴や実務経験などの受験資格も設定されていないことがほとんどです。多くの資格が独学でも受験できます。

ただし、資格の種類によっては、公認の学校や講座を受講しなければ受験できないケースもあります。受験資格が設けられている場合、独学では取得が難しい点に注意が必要です。

医療事務の資格の難易度

医療事務資格の全般的な合格率は60~80%程度です。受験者の半数以上が資格を取得できることになるため、難易度はそれほど高くないといえるでしょう。

合格率が比較的高い理由の1つに、多くの試験でテキストを持ち込めることが挙げられます。しっかりと勉強さえしておけば、試験中にテキストで確認しながら解答できるのです。

医療事務資格の中で唯一、診療報酬請求事務能力検定試験だけは難易度が高い資格として知られています。合格率が30%前後と低いため、独学で合格を目指すのは難しいでしょう。

医療事務に役立つ資格

ノートに書き込む

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転職で有利になる代表的な医療事務の資格を紹介します。それぞれの試験内容や難易度も併せてチェックしましょう。

医療事務認定実務者試験

医療事務認定実務者試験は、医療事務の基礎知識や接客・マナーに関する知識を証明できる資格です。合格率が約60~80%と比較的高いため、初学者に向いています。

受験資格は特に定められていません。試験形式は学科と実技に分かれており、どちらもマークシート形式です。実技では診療報酬明細書が正しく記載できるかをチェックされます。

試験時間は90分で、参考書やノートなどの持ち込みも可能です。一般の人や認定機関の通信講座受講生は、在宅受験となります。毎月月末に試験を受けられるため、スケジュールを組みやすいでしょう。

参考:医療事務認定実務者試験|診療報酬資格認定全国医療福祉教育協会

医科 医療事務管理士技能認定試験

医療事務管理士の資格を取得できる試験が医科 医療事務管理士技能認定試験です。2005年に商標登録が認められて以来、医療事務管理士は名実ともに認知された資格となっています。

受験資格はなく、年齢制限もありません。マークシート形式の学科試験と実技試験があり、実技試験では「レセプト点検問題」と「レセプト作成」が課させれます。

2022年時点での試験実施方法は新型コロナウイルスの影響から在宅受験のみです。ネット環境があれば時間や場所にかかわらず試験を受けることができます。合格率は約50%と、比較的難易度が高い試験です。

参考:医科医療事務管理士技能認定試験 | JSMA 技能認定振興協会

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)は、診療報酬請求事務や患者接遇などのスキルを証明できる資格です。合格者にはメディカル クラーク® の称号が付与されます。

国内最大規模の全国統一試験であり、歴史も長い試験です。昭和49年(1974年)度から2022年現在までの合格者数は92万人を超えています。

受験資格は特にありません。試験は医科が毎月、歯科は年6回隔月で実施されます。試験実施方法は在宅受験のみです。

試験内容は学科・実技1・実技2で構成されています。学科は択一式、実技Iは記述式、実技3は診療報酬に関する問題に解答します。合格率は50~60%程度です。

参考:医療事務技能審査試験(メディカルクラーク® )|資格試験/技能認定|日本医療教育財団

診療報酬請求事務能力認定試験

公益財団法人日本医療保険事務協会が実施する診療報酬請求事務能力認定試験は、診療報酬請求事務を中心に医療事務全般の能力を証明できる資格です。

受験資格はなく、誰でも受けることができます。受験科目は医科と歯科に分かれており、それぞれで学科・実技試験が行われます。診療報酬点数表やその他資料の持ち込みは自由です。

在宅で試験を受けられず、試験地も決まっています。試験日は7月と12月の年2回、試験時間は3時間です。合格率も過去に40%を超えたことがほとんどないため、しっかりと対策を行う必要があるでしょう。

参考:試験概要|公益財団法人日本医療保険事務協会

医療事務の資格の学習方法

手帳とボールペン

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医療事務資格の取得を目指すためには、学習のスケジュールを立てる必要があります。繰り返し問題を解き、内容の理解を深めることも大切です。

学習のスケジュールを立てる

転職前に資格を取得したいのなら、学習スケジュールを立てておく必要があります。資格ごとの勉強時間を把握した上で、試験日から逆算して予定を組むことが重要です。

代表的な資格の勉強時間の目安を紹介します。

  • 医療事務認定実務者試験:約90~180時間
  • 医科 医療事務管理士技能認定試験:約350~450時間
  • 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク):約200時間
  • 診療報酬請求事務能力認定試験:約350~600時間

合格率が比較的高い資格でも、通信講座では約3~4カ月の期間が必要になるとされています。取得を希望する資格に合わせて、無理のないスケジュールを組みましょう。

繰り返し問題を解くことが大切

取得を目指す資格が決まったら、学習を進めるための教材を購入しましょう。各資格に特化した参考書や問題集が多数販売されています。

独学で力をつける場合には、問題を繰り返し解くことが重要です。テキストの内容を頭にインプットするだけでなく、過去問を中心に数多くの問題を解き、バランスよくアウトプットする必要があります。

医療事務資格の勉強で最も重要なのがレセプトの理解です。問題を何度も解いて点数表の使い方に慣れておけば、本番でも早く問題を解けるようになるでしょう。

医療事務の資格を独学以外で取得するには

デスクワークをする女性

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 独学で資格取得を目指すのに不安を感じる場合は、通信講座や学校を利用するのがおすすめです。体系立てて学習を進められる上、最新情報も入手しやすくなります。

通信講座で学ぶ

通信講座を利用すれば、受験対策用のテキストや動画を用いて、自宅で勉強を進められます。医療事務の資格を目指す大半の人が利用している勉強法です。

リアルタイムで講義を受ける必要がなく、本業で忙しい人にも向いています。空いた時間に好きなだけ勉強できるため、働きながら隙間時間を活用することが可能です。

学習中に分からないことがあっても、サポートに聞けば疑問を解消できます。通信講座は受講料が比較的安いことから、コストを抑えて勉強したい人にもおすすめです。

専門学校や通学講座で学ぶ

独学が不安な場合は、専門学校や通学講座で学ぶのも1つの方法です。学習のカリキュラムが確立されているため、体系立てて資格の勉強を進められます。

通信講座は自由度が高い分、ある程度の自己管理も必要です。教材以外は独学と変わらない部分も多く、モチベーションの維持が難しくなることもあります。

一方で専門学校や通学講座なら、志を同じくする仲間と緊張感を持って勉強することが可能です。本気で資格取得を狙うのなら、専門学校や通学講座も検討してみましょう。

医療事務の資格取得を目指そう

勉強する女性

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医療事務資格の大半は独学でも取得することが可能です。資格を選ぶ際は、試験内容や難易度をチェックしましょう。合格できるかと自分に必要かどうかという観点からも、じっくり考えてみるのがよさそうです。資格取得の勉強は時間がかかるため、しっかりとスケジュールを立てることも重要です。

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