医療事務は資格なしでも働ける?目指す方法や志望動機の書き方を解説

資格なしで医療事務を目指す場合、どのように求人を探せばよいのでしょうか?求人を探すポイントや、志望動機の書き方を紹介します。資格がなくても応募できる求人が少ない場合は、資格取得も検討しましょう。資格の取得方法もあわせて解説します。

医療事務は資格なしでも働ける仕事?

病院の受付

(出典) photo-ac.com

医療事務として働く場合、資格なしでも応募はできるのでしょうか?民間資格は存在するものの、働く上で必須となるのかは気になるところです。医療事務を目指す場合に備えておきたいスキルや、応募時の注意点と併せて解説します。

基本的に資格はなくてもOK

医療事務の民間資格は複数ありますが、必ずしも仕事に必須の資格ではありません。医療事務の資格は、免許とは違ってあくまでも仕事に必要な知識があることを証明するためのものです。  

資格を取らずに現場で働き、業務を覚える人もいます。医療事務の資格取得で学ぶ範囲は、仕事のやり方というよりは基礎的な知識です。実際に働きながら覚えていく自信があれば、資格なしでも医療事務を目指せます。

資格なしの状態で医療事務に転職したいなら、業務内容や募集の条件を調べ、まず自分が応募できるかどうか確認しましょう。

パソコンとコミュニケーションのスキルは必要

資格が必須ではないといっても、医療事務には基礎的なパソコンスキルが必要です。職場によっても細かい業務内容は変わりますが、患者の情報をまとめた電子カルテや、診療報酬の計算(レセプト)に使うコンピューターには日常的に触れることになります。

データの閲覧・入力・計算処理のスキルも、持っておいた方がよいでしょう。医療事務は未経験でも、一般企業でパソコンを使った経験があれば役立ちます。

また、医療事務の仕事は、事務作業だけではありません。医療機関の受付として、患者とコミュニケーションを取ることも大切な仕事の1つです。

必要書類の受け渡しや会計など、対人業務の内容は多岐にわたります。患者から質問されることも多いため、コミュニケーションのスキルが必要になると考えましょう。

資格や経験が必要な求人も

医療事務の求人の中には、有資格者や医療事務経験者を求めるものもあります。限定募集の場合は、資格なしでの採用は難しいでしょう。応募しても条件を満たしていないとして、面接に進めない可能性があります。

有資格を求める職場では上司・同僚も資格を持っていることが多く、たとえ資格なしで採用されたとしても、スキル面で苦労する可能性が高いでしょう。

また、特別な記載がない求人でも、応募者の中には医療事務の有資格者や経験者が多くいます。医療事務の資格には比較的取得しやすいものが多いので、未経験からの転職で時間に余裕があるなら、積極的に取得を検討したいところです。

資格なしで医療事務を目指す方法

カフェで勉強する女性

(出典) photo-ac.com

資格なしで医療事務として働くには、求人の探し方がポイントになります。資格なしでも応募できる求人の探し方を知っておきましょう。雇用形態にこだわらない場合は、ハードルが低い募集条件を探すのもおすすめです。

未経験・資格なしOKの求人を見つける

医療事務の資格を持っていない場合、まずは求人情報の条件欄をチェックしましょう。「資格なし」や「未経験OK」の求人では、採用の可能性が高くなります。

ただし、常に資格なし歓迎の求人があるとは限りません。医療事務は資格を持っている人が多いため、あえて資格のない人を歓迎する募集は多くないと考えておきましょう。働きたい地域によっては、無資格で応募できる求人がほとんどないケースもあります。

また、未経験OKであっても資格は必要な場合もあり、条件の書き方によっては募集先に詳しく確認しなければなりません。

スタンバイではフリーワード検索を使って、資格なしの求人を探せます。まずは応募できる条件の求人があるか探してみましょう。

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アルバイト・パートから始める

収入や勤務時間数にこだわらない場合、アルバイトやパートといった非正規雇用に絞って医療事務の求人を探すのもよいでしょう。正社員よりも採用のハードルが低く、資格なしでも応募できる求人が多くなります。

正社員登用の制度がある職場を選ぶか、経験を生かして次回は正社員求人に応募することも可能です。

資格より現場での経験を重視する職場であれば、採用の可能性は高くなります。医療事務では資格の有無よりも、業務の適性や実際の仕事ぶりが重要となることも少なくありません。

正社員にこだわらない、家事・育児との両立を考えているという場合には、アルバイト・パートを検討しましょう。

資格なしで志望動機を書くときのポイント

履歴書に記入する

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資格なしで医療事務に応募するとき、どのように志望動機を書けばよいのでしょうか?志望動機を書くときのポイントを、例文とともに紹介します。

アピールできる経験を書く

資格なしで医療事務の求人に応募するときは、今までの経験の中からアピールできる強みを探して書きましょう。別の業界での経験しかなくても、アピールできる要素は見つかります。

パソコンスキルや事務経験・コミュニケーション能力など経験から得た強みを、医療事務にどう生かすかを伝えるのがポイントです。

【例文】

医療事務の経験はありませんが、5年間経理事務として表計算や書類作成を担当してきました。こちらのクリニックでは書類作成の機会も多いとうかがい、経験を生かしたいと考えています。

今まで、○○(百貨店)の受付として3年間働いてきました。お客様の案内や接客がメインだったので、医療事務としても患者様の対応に生かせるのではないかと思い応募しました。

自分のスキルや経験を踏まえて、採用担当者が納得できる志望動機を考えましょう。

応募先で働きたい理由を伝える

志望動機には、他の求人ではなく、その応募先を選んだ理由を記載するのが基本です。医療事務の求人が多数ある中でなぜ応募先を選んだのかを伝えると、説得力のある志望動機になります。

未経験の場合も医療業界に転職したい理由に加えて、別の店舗・病院とは違うポイントを伝えられると面接担当者の印象に残りやすくなるはずです。

【例文】

○○(薬局名)には、近隣のクリニックに通う多くの方が訪れるとおうかがいしました。
昔からこの地域に住んでおり、個人クリニックに大変お世話になったことから、通院される方のお役に立ちたいと考えるようになりました。
気軽に利用できるような受付を目指し、医療事務として貢献したいと思っています。

○○(病院名)は総合病院として多くの診療科目を扱っており、大変なことも多いと思います。
スタッフの方を目にする機会が何度かあったのですが、皆さん忙しい中でも、患者様に笑顔で対応しておられたのが印象的でした。
このような病院で働いてみたいと感じ、応募しました。

応募先の公式ホームページや募集条件をよく確認し、他にはない魅力を感じていることを伝えましょう。

医療事務の資格を取得するには?

セミナーのイメージ

(出典) photo-ac.com

医療事務として働くには、何らかの資格がある方が有利です。資格なしで応募できる求人が見つからないときや、時間とお金に余裕がある場合は、資格の取得を検討しましょう。主な取得方法を紹介します。

職業訓練を受ける

ハローワークでは、無料で受講できる職業訓練を実施しています。

医療事務のコースには、窓口受付の対応や診療報酬請求事務など幅広い分野があり、状況に応じて期間・内容を選択できます。求職中の場合は条件を満たすと、月10万円の「職業訓練受講給付金」を受け取りながらの受講も可能です。

ただ、受給には、「本人の収入が8万円以下」「世帯全員の収入が25万円以下」「世帯全員の金融資産が300万円以下」など、いくつかの条件があります。

働いている配偶者や両親がいる場合は受給が難しくなりますが、給付金の対象とならない場合でも受講は基本的に無料です。

アルバイトや給付金・貯金で生活費をまかなえる場合は、職業訓練を検討してもよいでしょう。

参考:
就職につながる「医療事務分野の職業訓練(求職者支援訓練)」を受講しませんか|厚生労働省
職業支援・給付金などについて知る|ハロトレ特設サイト|厚生労働省

通信講座・学校で資格を取る

働きながら資格を取得したい場合、通信講座・学校で資格を取るのがおすすめです。通信講座は、場所・時間を問いません。学校でも、社会人向けの夜間コースなら無理なく通えます。

医療事務は数カ月から半年程度で取得できる資格も多く、働きながら学ぶのも難しくないでしょう。

教育訓練給付制度の対象となる通信講座や学校を選べば、受講料の一部(上限あり)が支給されます。雇用保険の加入期間の要件を満たしているなら、この制度の活用も検討しましょう。

参考:教育訓練給付制度|厚生労働省

資格の種類によって内容が大きく変わる

医療事務には、複数の資格があります。応募したい店舗・病院でどのような資格が求められているのかを、あらかじめ確認しておきましょう。

例えば「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)」は、診療報酬の計算から窓口業務の接遇まで、幅広い知識を問う試験です。

診療報酬請求事務に特化した「診療報酬請求事務能力認定試験」は、レセプトの作成についての知識を証明できます。

資格によって運営元や難易度が変わるため、試験内容・募集条件を確認し、希望する求人に合った資格を探しましょう。

参考:
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)|資格試験/技能認定|日本医療教育財団
試験概要|公益財団法人日本医療保険事務協会

資格なしでも働ける医療事務求人はある

医療スタッフのイメージ

(出典) photo-ac.com

医療事務は、資格がなくても働ける仕事です。しかし、比較的短期間で取得できる資格が多く、多くの応募者は資格を持っています。応募を考えているなら、資格なし・未経験を歓迎している求人を優先して探しましょう。

もしも資格なしでは希望条件を満たす求人が見つからない場合は、資格取得を検討するのもおすすめです。職業訓練や通信講座など、医療事務の資格を取得する方法は多数あります。