医療事務は男性でもなれる?男女比や求人の探し方、活躍できる場面も

男性が医療事務を目指す場合、職場の男女比や求人の探し方が気になることもあるでしょう。女性のイメージが強い職業ですが、男性でも医療事務として働く人はいます。求人探しのコツや年収、男性が活躍しやすい業務内容を見ていきましょう。

医療事務の男女比率って?

医療事務

(出典) photo-ac.com

医療事務は、事務という響きやクリニックのイメージから、女性が多い印象を持つ人もいるかもしれません。実際、男性はどのくらい働いているのでしょうか?医療事務の男女比率や、男性の応募について解説します。

女性が多い仕事といわれる

ドラッグストアやクリニックの受付を見ても、医療事務のほとんどが女性と感じる人は少なくないでしょう。

大阪医療福祉専門学校のデータによると、診療情報管理士コースの男性割合は約3割です。この生徒の割合からも、医療事務を目指す割合は女性が多数派と考えられます。ただ、診療情報管理士は上級資格として知られ、男性に人気があるとされています。

医療事務の求人には、アルバイト・パートの募集が多いのも特徴的です。スタンバイで取り扱われている医療事務全体のうち、アルバイト・パート募集は約25%となっています。

ライフステージによって仕事をセーブすることが多い女性が活躍できる職種という点も、医療事務の男女比率に影響していると考えられるでしょう。

参考:
診療情報管理士学科 診療情報管理士コース|大阪医療福祉専門学校
【12月版】医療事務 契約社員 または 正社員 または インターン または 新卒 または 業務委託 または アルバイト・パート または 派遣社員の求人・転職・中途採用|スタンバイでお仕事探し

男性も医療事務として働ける

女性が多い仕事とはいえ、もちろん男性も医療事務として活躍できます。幅広い仕事に対応する能力が求められる近年は、男性医療事務の需要も高まっているのです。

また、特別な事情がない限り、雇う側は性別だけで採用の可否を決めることはできません。医療事務のように男女どちらも活躍できる仕事では、どちらかの性別に限定した募集が禁じられています。

男女雇用機会均等法により、性別に関わりなく均等な労働の機会が認められているためです。

ただし、医療事務には短時間勤務の募集もよくあります。扶養控除内で働ける人を募集している場合は、女性が対象となる可能性が高いでしょう。

フルタイム勤務や一定以上の収入を求める男性が応募しても、勤務時間や年収の面でミスマッチが予想されます。条件面をしっかり確認した上で、応募を検討しましょう。

参考:企業において募集・採用に携わるすべての方へ男女均等な採用選考ルール|厚生労働省

医療事務の求人を男性が探すコツ

パソコンを見ながらメモをとる

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フルタイムでしっかり働きたい男性が医療事務の求人を探すときは、条件の精査が必要です。女性が多い業界のため、男性向けの求人を見つけるのが採用の近道にもなるでしょう。探し方のコツを紹介します。

病院勤務は男性向け求人も多い

大規模な病院では、男性医療事務の需要も増えます。夜勤・フルタイム勤務の募集が多くなり、しっかり働きたい男性も求人を探しやすいでしょう。

病院勤務は、個人クリニックに比べて職員の数が多く、同僚・上司に男性がいる確率が増えるのも心強いポイントです。異性ばかりの職場では不安と感じる男性も、病院勤務では比較的男女比率を負担に感じることなく仕事ができるかもしれません。

一方、個人クリニックの医療事務は、受付・電話対応・医師の秘書として、幅広い役割を果たします。窓口の受付・秘書は、統計的なデータではありませんが女性が多い職場なので、病院勤務の方が男性向けの求人探しが簡単と考えられます。

募集条件をチェックする

性別で採用の可否を決定することはできませんが、採用にあたっては「待遇や収入面でミスマッチがないか」「職場でうまくやっていけるか」も判断の基準になります。

フルタイムである程度の年収を稼ぎたい男性の場合、募集条件のチェックは欠かせません。短時間勤務を前提とした募集では、条件が合わない恐れがあります。

すでに男性が活躍している実績や「男性歓迎」の記載があれば、ミスマッチの可能性は低いでしょう。待遇だけでなく職場の雰囲気も応募前に確認しておくと、希望に近い環境で働けます。

逆に家事や介護との両立などの理由で短時間勤務を希望している男性は、一般に女性向けと思われる待遇で問題がないことを面接でしっかり伝えましょう。短時間勤務で女性が多い職場の場合、同性が少ない環境でコミュニケーションが取れるかも採用に関係します。

男性医療事務の年収相場

男性が医療事務として働くと、年収はどのくらいになるのでしょうか?一般的な年収の目安を見ていきましょう。

フルタイムで働く男性の場合、キャリアを積んで責任者になることも考えられます。責任者になった場合の年収についても、知っておきましょう。

300〜400万円が目安

厚生労働省が運営する職業情報提供サイトによると、医療事務を含む「医療・介護事務員」の平均年収は約439万円です。

年代・性別によっても、年収には変動があります。20~30代では全体平均よりも年収が低くなることを考えると、300万~400万円台が一般的な目安となるでしょう。

フルタイムで時間外勤務・夜勤・各種手当などがある人は平均収入を上回る可能性が高いため、フルタイム勤務の男性医療事務に絞れば、年収はより高くなると考えられます。

なお、2021年分の「民間給与実態統計調査」によると、日本における給与所得者全体の平均年収は約443万円、男性に絞れば約545万円です。

参考:
医療事務 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁

責任者クラスは年収も上がる

医療事務の中でも、事務長やマネージャーなどの責任者クラスになると、年収が上がります。しっかり稼ぎたい男性は、責任者を目指して年収アップを狙いましょう。

スタンバイで事務長や経営マネージャーの求人を見ると、年収500万円以上の募集も多数あります。年収を重視する場合は、検討してみましょう。

ただし、責任者として働くには、経験もスキルも求められます。医療事務としてスキルアップするだけでなく、他企業での管理職経験・マネジメント経験など、周囲の従業員をまとめ上げる力を問われるのが特徴です。

必要とされるスキルは職場によって変わるため、今までの経験を生かして活躍できそうな求人を探してみましょう。

参考:【12月版】事務長の求人・仕事・採用|スタンバイでお仕事探し

医療事務で男性が活躍できる場面とは?

カルテを見ている男性

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医療事務で特に男性が活躍しやすい場面は、いくつかあります。男性向けの募集を探すときにも、男性が重宝される仕事内容を意識しておくと、希望に合う求人を探しやすくなるはずです。

夜間・早朝の勤務

救急病棟がある病院は、基本的に24時間開院しています。そういった場合などは、医療事務にも夜勤・早朝勤務が求められるケースが少なくありません。

女性は家庭との両立のために短時間勤務を希望する人も多いため、全員が夜勤・早朝シフトに対応できるとは限りません。

夜間・早朝の勤務が多い職場では、フルタイム勤務・深夜手当を希望する男性医療事務が活躍していると考えられます。夜勤でしっかり収入を得たい男性にとっては、最適な環境です。

積極的に夜勤シフトに入れるようであれば、採用につながる可能性もあります。夜間の残業・早朝勤務が多い職場では、男性医療事務は重宝されるでしょう。

患者からのクレーム対応

受付業務も、医療事務の仕事です。クレーム・理不尽な要求への対応では、男性が活躍する場面があります。

もちろん女性もクレーム・患者の質問対応はしますが、暴力的なクレームは対応が難しいこともあるでしょう。状況に応じて対応するスタッフを変えることで、スムーズに処理が進みます。

また、男性がいるだけでも、理不尽なクレームの抑止が期待できます。女性に対して高圧的な態度になる患者には、男性スタッフが対応する場面も出てくるでしょう。

軽作業や力仕事

医療事務の主な仕事は、事務作業です。しかし、軽作業や力仕事を任されることもあります。

内容は患者のサポート・搬送補助・機器の搬入など、状況によってさまざまです。力仕事ができる男性は、頼りにされるはずです。

特に病院勤務では、救急搬送や入院中の患者が多く、サポートを必要とする場面が少なくありません。補助を頼むことも考えて、男性医療事務を求める医療機関もあるでしょう。

力仕事を頼まれるかどうかは、職場の雰囲気や業務の範囲によって変わりますが、求人情報に業務内容として記載がある場合は、男性医療事務が活躍できる可能性が高くなります。

医療事務に向いている男性の特徴

笑顔で対応する医者の男性

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医療事務の適性がある男性とは、どのような人なのでしょうか?医療事務に向いている人の特徴について解説します。適性があれば、男性が少ない職場でも活躍の機会を得やすいはずです。

コミュニケーションが得意

医療事務の仕事は、患者・医療関係者とのコミュニケーションで成り立っています。誰とでもうまくコミュニケーションを取れる人は、仕事を進めやすいでしょう。

女性が多い職場であれば、女性職員とのコミュニケーションも求められます。異性であるからこそ、配慮が必要になるシーンも少なくありません。

職員同士の人間関係がうまくいくと、職場の雰囲気もよくなります。また、コミュニケーションが得意な男性は、事務作業でも活躍できます。患者とのやりとりが円滑に進めば、仕事の効率もアップするでしょう。

効率を意識して仕事ができる

医療事務の仕事は、1つの作業だけではありません。診療報酬の計算や会計だけでなく、受付業務や軽作業まで含まれます。

さらに複数作業の同時進行が求められるため、効率が大切です。患者対応や会計処理をしながらも、書類作成や軽作業を必要な時間までに終わらせる能力が重視されます。

患者の受付では、状況に応じた臨機応変な対応も行います。難しい質問への対応や、クレーム処理などのスキルも必要になるでしょう。

複合的な業務に抵抗がない男性は、医療事務に向いているといえます。

キャリアアップを目指している

医療事務には、アルバイト・パートを希望する女性向けで、年収が低い求人も多くあります。

しかし、長期的に勤務し経験を積むことで、キャリアアップも目指せる職業です。しっかり稼ぎたい男性が事務長やマネージャーを目指して働き続けると、年収アップを狙えます。

医療事務には女性が多く、結婚・育児といったライフステージの変化で、短時間勤務に切り替わる人もいます。逆に長期的にフルタイムで働ける男性がキャリアアップの意識を持って働けば、昇進して年収を上げやすい環境といえるでしょう。

男性向きの医療事務求人を見つけよう

胸に手を当てる医者の男性

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男性が医療事務の仕事を探すときは、希望する条件を満たしているか確認することが大切です。医療事務はアルバイト・パートなどの求人も多く、扶養控除内で働く女性を想定した条件もあります。

しっかり稼ぎたいなら、深夜・早朝勤務のある病院や施設の責任者といった求人を探すのがおすすめです。

スタンバイでは、医療事務の求人を多く取り扱っています。病院勤務や事務長など高年収を狙いたい男性向けの求人も豊富です。転職の第一歩としてチェックしてみましょう。

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