看護師の勤務形態とは?2交代制と3交代制の違いもチェック

夜勤を含む看護師の勤務形態を「働く時間が変わるだけ」と捉えるのは早計です。病棟看護師への転職を考えている人向けに、2交代制や3交代制の違いやメリット・デメリットを詳しく解説します。勤務したときのイメージを固め、転職先選びの参考にしましょう。

看護師の勤務形態にはどんな種類がある?

看護師の女性と医者

(出典) photo-ac.com

看護師の勤務形態は、勤める施設や部署によって大きく異なります。まずはどのような働き方があるのか、勤務形態の種類とその特徴について見ていきましょう。

日勤と交代制がある

看護師の勤務形態は、主に日勤と交代勤務の2パターンに分けられます。日勤とは一般的に8~18時の間、基本的に毎日出勤する働き方です。外来や診療所で働く看護師に多いでしょう。

24時間体制で看護が必要な医療機関では、看護師は交代制で勤務にあたります。交代勤務には2交代制と3交代制があり、22~翌5時の深夜帯の勤務を含みます。勤務先は入院設備のある病院や介護施設などです。

また、夜勤のみ担当する夜勤専従看護師もいます。日勤よりも拘束時間が長く、その分勤務日数が月に10日程度になる点が特徴です。

看護師の2交代制とは

打ち合わせをする医者と看護師

(出典) photo-ac.com

2交代制とは、勤務時間を日勤と夜勤の2つの時間帯に分けた勤務形態です。2交代制のスケジュールやメリット・デメリットを確認しましょう。

2交代制の勤務スケジュール

日勤・夜勤の時間帯をどのように分けるかは勤務先次第です。日勤と夜勤で勤務時間の差がないところもありますが、日勤8時間・夜勤16時間と、夜勤の時間が長いところの方が多い傾向にあります。

2交代制で働いた場合、実際に考えられる勤務スケジュール例を見てみましょう。

  • 1日目:休み
  • 2日目:日勤9~18時
  • 3日目:夜勤18~翌9時
  • 4日目:明け
  • 5日目:休み
  • 6日目:日勤9~18時
  • 7日目:日勤9~18時

ただ、日本看護協会の「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」では、日勤と夜勤で16時間連続するような働き方を推奨していません。

勤務間隔は11時間以上・拘束時間は13時間以内と、ガイドラインに沿った運営をする施設も増えてくるでしょう。

参考:看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン全体版

2交代制のメリット

2交代制のメリットは次の3点です。

  • シフトを把握しやすい
  • プライベートを充実させやすい
  • 夜勤後の休養時間を長く取れる

2パターンのシフト制なので、3交代勤務に比べると生活リズムを整えやすくなるでしょう。夜勤明けも含めて、日中に休める日が出てきます。

夜勤明け後の連休に有休を合わせれば、2泊3日の小旅行を楽しむのも難しくありません。仕事とプライベートを両立しやすい勤務形態といえるでしょう。

2交代制のデメリット

次のような点がデメリットとして挙げられます。

  • 長時間勤務による心身の負担が大きい
  • 仮眠が取れない場合もある
  • 夜勤中に集中力を保ちにくい

仮に16時間の勤務となると、単純に考えると日勤2日分を一気にこなすイメージです。加えて日中ではなく夜間となるため、想像以上に疲れがたまります。

また仮眠時間は休憩とは異なるため、緊急時には対応する必要があるでしょう。長時間勤務と疲労から、日勤より集中しにくいと感じる人も多いようです。

看護師の3交代制とは

看護師と入院患者

(出典) photo-ac.com

3交代制とは、勤務時間を日勤・深夜勤・準夜勤の3つの時間帯に分けた勤務形態です。スケジュールやメリット・デメリットを見ていきましょう。

3交代制の勤務スケジュール

3交代制を採用している場合、24時間を8時間ごと3シフトに分けているところがほとんどです。深夜勤・準夜勤合わせて月に7~9回ほど夜勤が入ります。

以下は3交代制で働いた場合の勤務スケジュール例です。

  • 1日目:日勤8~16時
  • 2日目:日勤8~16時
  • 3日目:深夜勤24~翌8時
  • 4日目:準夜勤16~24時
  • 5日目:休み
  • 6日目:日勤8~16時
  • 7日目:休み

準夜勤は一般的に16~24時、深夜勤は24~翌8時となります。このほかにも、日勤・準(深)夜勤・休みを繰り返すケースなどさまざまであるため、応募前に勤務パターンの確認が欠かせません。

3交代制のメリット

3交代制のメリットは次の3点です。

  • 夜勤の拘束時間が短い
  • 集中力を切らさず働ける
  • 残業が発生しにくい

3交代制は夜勤でも8時間勤務となるため、2交代制と比べると心身の負担は軽めです。看護師はささいなミスが命取りとなる仕事なので、集中力を保ちやすいのは大きなメリットといえます。

夜勤後の疲労回復にかける時間も短く済み、夜勤に対する精神的ストレスを感じにくくなります。小まめに交代することから残業が発生しにくく、仕事後の予定を立てやすいでしょう。

3交代制のデメリット

3交代制のデメリットには、以下のようなものがあります。

  • 生活リズムが乱れがち
  • まとまった休みが取りにくい
  • 出退勤が深夜帯になる

3パターンのシフトに定まっているとはいえ、慣れないうちは生活リズムをつかみにくいでしょう。勤務パターンによりますが、連休を取るのが難しいケースも多いようです。

また、準夜勤の退勤時間と深夜勤の出勤時間は深夜帯になります。電車で通勤する場合や、駐車場から勤務先まで離れている場合、通勤に不安を感じる人もいるでしょう。

交代勤務の夜勤を上手にこなすコツ

カレンダーと時計

(出典) photo-ac.com

夜勤は慣れるまでは大変ですが、コツを覚えると疲労を軽減できる可能性もあります。夜勤前や勤務中の過ごし方、仕事のポイントについて確認しておきましょう。

夜勤前に仮眠を取る

一般的に朝起きて夜眠るのが理想的な生活リズムとされ、多くの人は夜になると自然に眠くなります。夜勤中にウトウトしないためには、仮眠を取り入れましょう。夜勤前に90~180分程度の仮眠を取ると、夜勤中に眠くなりにくいといわれています。

しかしこれから仕事となると気持ちが落ち着かず、なかなか眠りにつけないかもしれません。そんなときは安眠グッズを活用するといった工夫もできます。日中に眠るのであれば、アイマスクや耳栓が便利です。ほかにも、お気に入りのアロマオイルをコットンに1滴染み込ませ、そばに置いておくのもリラックス効果が高まります。

眠気対策を見つけておく

夜勤は人によっては睡魔との戦いでもあります。眠気がやってきたら、軽いストレッチをしたり肩を回したりと体を動かしてみましょう。血流がよくなると体温も上がり、眠気を覚ましやすくなります。

適度なおしゃべりも、眠気対策になるでしょう。普段気になっていた業務や患者について、夜勤メンバーに相談してみるのも1つの方法です。

ガムをかんだり、コーヒーやドリンク剤を飲んだりしてもよいでしょう。せんべいなどのかみ応えのあるお菓子も眠気覚ましに役立ちます。

申し送り内容を整理しておく

夜勤から日勤へ引き継ぐ際には、夜勤時に気になったことを日勤の看護師へ申し送ります。この申し送り内容に過不足があると、自分にも相手にも余計な負担が増えてしまうでしょう。

スムーズな申し送りをするには、あらかじめ要点を簡潔にまとめておくことが重要です。最初に臆測の混じらない事実を、最後に自分なりの見解と提案を伝えます。

最初のうちはどう申し送ればよいか迷うことも多いため、慣れるまでは先輩看護師の申し送りを参考にしましょう。

自分が働きやすい勤務形態をチェック

カルテを見る看護師

(出典) photo-ac.com

収入増やキャリアップを目指して、日勤から交代勤務の職場へ転職を希望する看護師も多いでしょう。ただ、一口に交代勤務といってもその勤務形態はさまざまです。

2交代制と3交代制があるだけではなく、勤務先によって拘束時間の長さや勤務パターンが違います。仕事とプライベートの両面から見て、自分に合った働き方をよく検討しましょう。

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