デザイナーとしての転職を成功させたいのであれば、魅力のある志望動機を作成することが重要です。採用担当者に「この人面白いな」と思わせる志望動機とはどのようなものなのか、職種別例文を参考にひもといていきましょう。
この記事のポイント
- デザイナー転職の志望動機で押さえておきたい3つのポイント
- 職種に対する熱意・企業理解・自分の強みを矛盾なく説明することが必要です。
- 職種別例文
- 結論・具体的なエピソード・未来像を端的にまとめた例文を紹介しています。
- 書き方のセオリー
- 端的で分かりやすい書き方と陥りやすいNGポイントを解説します。
デザイナーの志望動機で外せない3つのポイント
デザイナーはクリエイティブ職であるため、実力がものをいいます。ポートフォリオなどを使って自分のセンスや技術を目で見てもらうのが、最も重要なアピール方法です。
その「実力」を転職にうまく生かす上では、志望動機が重要な要になります。採用担当者に「この人はどんな作品を作るんだろう」と思わせる志望動機とはどのようなものなのか、押さえておきたい3つのポイントを解説します。
1.デザイナーとしての熱意
採用担当者がまず知りたいのは、デザイナーという仕事に対する姿勢です。自分の仕事に真摯(しんし)に向き合う姿勢が見えれば、安心して仕事を任せられる人というイメージにつながります。
志望動機では、デザイナーを志したきっかけ・努力してきたこと・続けてこられた理由などで、デザイナー職に対する熱い思いを伝えられます。誰を相手にデザインしたいのか、思い描く未来像などもよいでしょう。
未経験からの転職であればなおさらです。なぜデザイナーへのキャリアチェンジを考えるようになったのか、納得感のある理由を提示できれば、意欲とポテンシャルを伝えられるでしょう。
学習してきた内容やこれから身に付けたいスキルを具体的に述べると、職種に対する理解度を示すことにもなります。デザイナーは、クリエイティブな感覚だけで続けていけるものではありません。新しいスキル・知識を取り入れていく意欲を示しましょう。
2.その企業を選んだ理由
クリエイティブ職に限らず、どの企業の採用担当者も「なぜ自社を転職先に選んでくれたのか」という点を特に知りたいと思っています。そこには、転職希望先企業のことを本当に理解しているのかが表れるからです。
その企業に転職したい理由が「自分のスキルが生かせるから」では、「別にうちでなくてもよかったのでは?」と感じさせてしまいます。自分のスキルを生かせるどのようなチャンスがあるのか、その企業だからこそ生かせる合理的な理由を説明することが重要です。
納得感のある理由を述べるためには、企業研究が欠かせません。転職希望先企業の商品や業務への取り組み方、価値観などをリサーチしましょう。興味関心が持てる、あるいは共感できるポイントを見つけます。
志望動機は文字数に限りがあるため、多くの情報を含めることはできません。「ぜひここで働きたい」と思わせる企業の魅力を1つか2つに絞り、端的にまとめましょう。
3.自分の強みや魅力
デザイナーとしての実力を判断する大きな材料はポートフォリオです。ただ、書類選考の段階では、細かく判断するまでには至りません。デザインに対するこだわりや方向性、経験・実績を言語化できれば、自分のデザインに興味を持ってもらえます。
別のクリエイティブ職へのキャリアチェンジを考えている人もいるでしょう。デザイナーでも、職種によって強みとなるものは異なります。転職を機に職種を変える場合には、職種に対する理解を深めた上で、強みを見直してみることが必要です。
未経験からの転職の場合には、前職で培ったビジネススキルやポータブルスキルを強みにすることもできるでしょう。
重要なのは、自分の強みが転職先企業とマッチしていることを示すことです。将来的にどのように貢献できるか、未来像を提示することで自分の強みや魅力に現実味を持たせられます。
【職種別】デザイナーの志望動機の例文
採用担当者に関心を持ってもらえる志望動機とはどのようなものなのか、実際に例文を見ながら感覚をつかんでみましょう。職種別の例文を紹介します。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーは、商品のパッケージ・ポスター・書籍など、平面デザインを制作します。デザインセンスに加え、ソフトウェアの活用スキルや、Webマーケティング関連の知識など、幅広いスキルが求められる職種です。
【例文】
自分のデザインスキルで企業のブランディングに貢献したいという思いから、貴社への転職を志望いたしました。
幼い頃から色や絵が好きで、グラフィックデザイナーになったのも天職だと思っています。ただ、前職で担当していた医薬品の商品パッケージデザインでは物足りなさを感じ、もっと多彩なデザインができる分野に転職したいという気持ちが強くなりました。
貴社は取り扱う商品の幅が広く、ブランディング力に定評があります。これまで培ったグラフィックデザインのノウハウに、新しい分野の知識を加えながら、クライアントを満足させられる戦力として貢献できればと思います。
Webデザイナー
Webデザイナーは、クライアントの要望に沿ったWebサイトをデザインする職種です。Webデザイナーになるのに特別な資格は必要ありません。しかし、グラフィックソフトウェアやコーディングに必要なプログラミング言語に関する知識は最低限必要とされます。
上流工程やWebマーケティングなど知識の幅が広ければ、その分転職を有利に進められるでしょう。
【例文】
Webデザインの成果を実感できる環境で働きたいという思いから、ECサイト制作を幅広く手掛けている貴社を志望いたしました。
学生時代からWebデザインに興味を持ち、自分のサイトを立ち上げたり、フリー案件で実力を試したりしながら独学でスキルを習得しました。
前職では中小企業の自社サイト制作に多く関わっていたため、クライアントとのコミュニケーションやプレゼンテーションには自信があります。
自社サイト制作では、クライアントを満足させられても、Webデザインそのものがビジネスにどの程度力を発揮しているかは見えにくいものです。
ECサイト制作においては、デザイン力はもとより、操作性やマーケティングなどさまざまな知識を活用し、「売れる」サイトに仕上げなければなりません。成果も数字で出てきます。
「売れる」ECサイトを多く手掛けている貴社で、「売れる」スキルを学び、成果を上げられるWebデザイナーとして活躍したいと思っています。
ゲームデザイナー
ゲームデザイナーは、ゲームのキャラクター・背景や建物・アイテム・メニュー画面など、ゲームに登場する構成要素をデザインします。
手掛ける構成要素により、2Dデザイナー、3D・CGデザイナー、UI/UXと領域が分かれており、制作工程によっても役割が決められているため、自分の得意分野や持っているスキルを明確にすることが必要です。
【例文】
「ゲームでみんなを笑顔に」という貴社の理念に共感し、志望いたしました。貴社は子どもから高齢者まで、さまざまな人が楽しめる幅広いタイプのゲームを制作しておられます。
私自身も、子どもの頃から貴社のゲームに親しんでおり、いつかはゲームを作る側になりたいとゲームデザイナーを目指すようになりました。
前職では3DCGモデリングを担当しており、使用ツールは〇〇で、最近携わったゲーム△△ではメインキャラクターの□□を担当しています。
ゲームの世界観を効果的に演出する貴社の技術力を学びながら、多くの人を笑顔にできる完成度の高いゲーム制作に携わっていきたい所存です。
ファッションデザイナー
ファッションデザイナーは洋服をデザインする職種です。企業に勤める場合には、企業ブランドの方向性を理解した上で、トレンドや利益率などビジネス運用を意識したデザイン制作が求められます。
【例文】
素材の良さを生かしたデザインをしたいという思いから、天然素材やリサイクル素材に力を入れている貴社への転職を志望いたしました。
私は幼い頃よりファッションに興味があり、高校卒業後は専門学校でスキルを学びました。時代の流れとともに移り変わるファッションの面白さに魅了され、これまでは最新モードを取り入れた若者のファッションを多くデザインしてきました。
刺激的で楽しい仕事ではありましたが、着心地や社会貢献などモード以外の側面を理解するようになると、ファッションデザイナーとしてもっとできることがあるのではないかと思うようになりました。
目先のものより本質を重視する貴社で、人を幸せにする、社会に貢献できるファッションデザイナーとして自分のスキルを生かしていきたいと思っています。
デザイナーの志望動機でアピールできるスキル
デザイナーには、デザインセンスや色彩感覚など、クリエイティブな能力が求められます。しかし、それだけでは足りません。デザイナーを仕事にする上では、クリエイティブな能力を形にするスキル・知識が不可欠です。
志望動機では、そのスキル・知識を武器にすることで、自分の市場価値を押し上げられます。デザイナーが志望動機で武器にできるスキルにはどのようなものがあるのか、2つのタイプに分けて整理しておきましょう。
実務スキル
まずは実務スキル、つまりデザインを形にするスキルです。デザイナーをはじめとするクリエイティブ職においては、それぞれの職種で必要とされるスキル・知識が異なります。
仕上がりに厚みや確実性をプラスする付加的なスキル・知識を持っていれば、強みとしてアピールすることが可能です。
Webデザイナーを例に考えてみましょう。Webデザイナーには、Webデザインの基礎知識や、「Photoshop」「Illustrator」といったグラフィックソフトウエアの操作スキルが最低限必要です。
加えて、コーディングやプログラミングのスキルがあれば、より効率的な業務ができると判断されるでしょう。Webマーケティングの知識があれば、より質の高い仕事・成果を生む仕事ができる人材と見なされます。
スキル・知識のアピールにおいては、実績や取得資格などで具体的に説明すると効果的です。
ポータブルスキル
もう1つの武器はポータブルスキル、つまりどの職種でも使える「持ち運びができる」スキルです。
デザイナーはクリエイティブな職種ではあるものの、芸術家ではありません。自分の好きなものではなく、クライアントや企業の意向を理解した上でデザインしなければ、ビジネスとして成り立たなくなってしまいます。
そこで重宝されるのが、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力といったポータブルスキルです。課題解決力やロジカルシンキングもビジネスにおいては重視されます。
デザイン知識のないクライアントとの意思疎通や、チームメンバーとうまく協力してプロジェクトを進める際には、こういったスキルが大いに役立ちます。
未経験転職の場合にも、前職で培ったビジネススキルやポータブルスキルを強みにできるでしょう。
デザイナーの志望動機のNGポイントは?
志望動機は、たくさんある履歴書の中から「この人面白いな」と興味を持ってもらうために活用したい部分です。限られた文字数の中で、自分の魅力や強みがしっかりとアピールできるよう、分かりやすくまとめましょう。
志望動機の作成で気を付けたいNGポイントを2つ紹介します。志望動機の下書きが済んだら、NGポイントに引っかかっていないか、いま一度確認してみましょう。
漠然とした志望動機では説得力がない
採用担当者は、志望動機からその人の人となりや熱意を判断しようとします。漠然とした志望動機であれば、強い意志や可能性が感じられず、新たな職場で活躍する姿がイメージできません。
デザイナーの志望動機でありがちなのが、夢や憧れを軸に置いたアピールです。夢や憧れを語ることそのものが悪いわけではありませんが、「小さい頃からの夢だった」「このブランドに憧れていた」では説得力がありません。
「スキルアップしたい」という志望動機もよく使われるフレーズですが、採用担当者に「うちでなくてもできるのでは?」と思わせてしまいます。
転職先企業の特徴や魅力を具体的に述べた上で、現実的な目標へとつなげ、「ここで働きたい」という熱意を伝えるようにしましょう。
遠回しな説明では読んでさえもらえないことも
採用担当者は数多くの履歴書に目を通さなければなりません。何を言おうとしているのか分からない「遠回し」な説明では、興味を引き付けることができず、最後まで目を通してもらえないケースさえあります。
志望動機では、書き出しにまず結論を持ってくることで本気度を示し、「もっと読みたい」という気持ちを引き出すのがセオリーです。最初のフレーズは「私が貴社を志望したのは〇〇だからです」と、直球でいきましょう。
採用担当者が1分以内に読める文字数は300字程度です。志望動機・具体的なエピソード・企業に貢献できること・未来像を、端的に分かりやすくまとめることが重要です。1つ1つの文章が長くなり過ぎないように気を付けましょう。
魅力的な志望動機でデザイナー転職を成功させよう
デザイナーの転職を成功させるためには、採用担当者の興味を引く志望動機の作成が欠かせません。企業研究をしっかりと行い、企業の特徴・魅力にマッチする自分の強みを、分かりやすくアピールするのがポイントです。
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