プログラマーの将来性とは?人材不足の現状と今後の見通し

プログラマーはIT業界で広く活躍しており、慢性的な人手不足ともいわれています。その一方で、プログラマーは将来性がないと考えている人も少なくありません。プログラマーの現状と今後の見通し、生き残るプログラマーになるための条件を解説します。

プログラマーの将来性

プログラミングをする手元

(出典) photo-ac.com

プログラマーをはじめ、IT業界で活躍している職種は需要が高く、慢性的な人手不足といわれている一方で、プログラマーは将来性がないと考えている人もいます。実際のところはどうなのでしょうか?

プログラマーは人材が不足している

IT業界では、多くの職種が人手不足となっており、プログラマーもその例外ではないといわれています。

経済産業省の資料によると、2030年までに約40~80万人の規模で、IT業界の人材が不足する可能性があるとされています。あくまでも試算ではありますが、IT業界で人材の需給ギャップが存在しているのは事実で、慢性的な人手不足に悩む企業は多くあります。

特に、高度な知識や技能が求められるプログラマーや、優秀なエンジニアは人手不足が顕著です。企業間で人材の獲得競争が激しくなっており、ほぼ売り手市場の状況になっています。

出典:IT人材育成の状況等について|経済産業省

「35歳定年説」は昔の話

プログラマーやエンジニアの世界では、以前から「35歳定年説」がささやかれていました。35歳程度になると、技術職としての体力や頭脳が衰えてしまい、限界を迎えるという説です。

確かに他の職種に比べても、プログラマーやエンジニアは激務とされており、年齢によっては体力的に厳しいと感じる人もいるようです。しかし実際のところ、35歳以上はもちろん、40代でも活躍している技術職は多くいます。

もともと「35歳定年説」には明確な裏付けがあるわけではなく、35歳以降も十分に働くことが可能です。ただし、プログラマーはコンスタントに新しい知識や技術を身に付ける必要があるため、常にスキルアップを続ける姿勢が求められます。

プログラマーの将来性がないといわれる理由は?

パソコンで作業する男性

(出典) photo-ac.com

プログラマーは、業界全体で人手不足の傾向にあり、基本的に売り手市場となっているため、就職・転職を希望する人にとってはチャンスといえるでしょう。一方で、以下の理由からプログラマーには将来性がないと考えている人も一定数います。

オフショア開発が加速しているから

近年システム開発の人件費を抑えるために、一部の業務を海外の人材に任せる「オフショア開発」が目立つようになりました。国内よりも低コストで開発を進められるため、開発プロジェクトの全てを海外の企業に任せるところも少なくありません。

特に優秀なIT人材が多いインドや中国を筆頭に、ベトナムやモンゴルなどに開発を依頼する企業が増えています。低コストで一定のクオリティの成果物を得られるため、今後さらにオフショア開発が広まっていくと予想されます。

自動プログラミング技術が普及しつつあるから

専門的な知識がなくても、直感的な操作でウェブページを作成できる技術や、テンプレートによるプログラミングの自動化が普及し始めている点も、プログラマーの将来性が不安視される要因の1つです。

特に一定のコマンドを入力すれば、プログラムが自動生成されるフレームワークの利用が広まっているため、プログラマーの存在意義が失われると考える人もいます。

ただし、現状においては、自動プログラミングのみで、全ての開発を進めることはできず、ソフトウエア開発にプログラマーの力が必要である点は変わりありません。

人工知能の発達も目覚ましいから

人工知能(AI)の発達によって、プログラマーの仕事が奪われると考える人も少なくありません。実際、AIはさまざまな業界に浸透し始めており、業務効率の向上や作業の自動化に寄与しています。

特に、決まった手順で実行される定型業務は、人間の手から徐々にAIに置き換えようとする動きが活発になっています。将来的に、AIがプログラムを自動生成する役割を担う可能性はあるでしょう。

しかし、プログラムの設計や書き方には幅があり、柔軟にアプローチを変えなければならないケースも多くあります。状況に応じた判断ができるプログラマーの仕事が、完全に奪われることはないと考えられます。

むしろ、AIをうまく活用することで、プログラマーの業務負担を軽減できる可能性もあります。

生き残れるプログラマーになるためには

ノートパソコンを見ながら考える男性

(出典) photo-ac.com

オフショア開発の流行や人工知能の発達など、プログラマーの将来性を不安視する向きもあるなかで、今後も活躍できるプログラマーはどういうタイプでしょうか?生き残れるプログラマーになるには、以下の点を意識することが重要です。

需要の高い言語をマスターする

プログラマーが使用する言語は多くありますが、将来にわたって、高い需要が見込める言語をマスターすることが重要です。

IT業界で必要とされる技術は日進月歩であり、過去に主流とされていた開発言語やフレームワークも、現在はあまり使われていないケースも珍しくありません。

定期的にIT業界の流れや流行をチェックしながら、高い需要のある言語にアップデートし続ける必要があります。言語の需要が高ければ開発案件も多くあるので、プログラマーとして活躍し続けられるでしょう。

AI・IoT関連のスキルを身に付ける

AIやIoT関連のスキルを積極的に身に付けることで、将来にわたってプログラマーとして仕事を請けられる可能性が高まります。

AIに仕事を奪われると考える人もいますが、そもそもAI自体がプログラムであり、人間の業務をサポートする存在として開発された側面があります。

また、さまざまな製品をネットワークに接続するIoT分野でも需要も高まっているので、IoT専門のネットワークエンジニアとして活躍する道もおすすめです。

セキュリティ関連のスキルを身に付ける

社会の情報化がさらに進むなかで、セキュリティを扱う人材の需要も高まっています。

プログラマーとしてセキュリティ関連の知識や技術を身に付けておけば、既存の仕事に付加価値を付けられるだけでなく、将来的にセキュリティエンジニアとして活躍する道も開けるでしょう。

セキュリティを意識したシステム開発や、運用・既存システムの調査や改善の提案など、幅広い分野で活躍できる可能性があります。

マネジメントスキルを身に付ける

プログラマーとしてのスキルに加えて、開発チームやプロジェクトをまとめるマネジメントスキルがあれば、さらに活躍の場を広げられます。実際、プロジェクトマネージャーの需要は非常に高く、開発の上流工程を担える人材は高額な報酬を得られます。プログラマーからキャリアアップを考えているならば、積極的にマネジメントスキルを身に付けましょう。

プログラマーの働き方はさまざま

在宅ワークする男性

(出典) photo-ac.com

プログラマーやエンジニアは、特定の企業に所属してフルタイムで働く方法もありますが、時間や場所にとらわれずに働くことも可能です。他の職種に比べて、より柔軟な働き方ができます。

在宅・フレックスなど自由度が高い

近年は在宅ワーク・リモートワーク・フレックス制などを導入している企業が増えています。特にIT業界はその傾向が強いため、プログラマーとして十分な成果を上げられるならば、自宅で仕事をしたり、副業で案件を請けたりすることも可能です。

また、フリーランスとして独立して仕事を請ける方法もあるので、時間や場所に縛られず自由に働きたい人は、正社員や契約社員以外の雇用・契約の形態も検討するとよいでしょう。

事実、結婚や出産を機に、働き方を大きく変える人は少なくありません。自分に合った働き方を模索してみましょう。

市場価値の高いプログラマーを目指そう

コードを確認するプログラマー

(出典) photo-ac.com

プログラマーの将来性や、身に付けるべき知識・スキルについて解説しました。

プログラマーはAIに仕事を奪われる可能性や、オフショア開発の広まりなどによって、将来性がないと考える人も少なくありません。しかし現状は、市場全体が人手不足の状態で、優秀なプログラマーは売り手市場になっています。

ただし、将来的に仕事を失わないためにも、需要の高い言語をマスターしたり、AIやセキュリティに関する知識・スキルを身に付けたりするなど、技術者としての価値を高めることが大切です。

定期的に市場の動向やトレンドを確認しながら、しっかりと自分のキャリアを考えるようにしましょう。

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