Webデザイナーはやめとけって本当?転職先の選び方も紹介

Webデザイナーはやめとけという意見を聞いて、キャリアチェンジの選択肢に入れてよいのかと不安になっていませんか?やめとけと言われる理由を知ると、自分に向いているのか冷静に判断できます。理由から転職先の選び方まで基本をチェックしましょう。

Webデザイナーはやめとけといわれる理由は?

デザイナーのイメージ

(出典) photo-ac.com

Web業界に勤めている人や経験者から、「Webデザイナーはやめとけ」という意見を聞くケースがあります。なぜそのように言われるのか確認しましょう。

勉強しなければならない範囲が幅広い

Webデザイナーを目指すにあたって勉強が必要な範囲は広く、職に就けた後も学び続けなければなりません。

デザインについての基礎知識や、Photoshop・Illustrator・Dreamweaverといったソフトを扱うスキルは必ず求められます。

Web制作まで担当する場合、HTMLやCSSに関する知識は必須です。さらにプログラミングに関する基礎知識も持っていると、プログラマーとの連携がスムーズに進むでしょう。

また、SEO(検索エンジン最適化)やSEM(サーチエンジンマーケティング)に関する知識もある程度あった方が、クライアントを満足させるWebサイトを作成しやすくなります。

最初からすべてを完璧にこなす必要はありませんが、勉強しなければならない項目が多く大変なので「やめとけ」と言う人がいるのです。

残業が多くなりがち

Webデザイナーは労働時間が長く、残業が発生しやすい職業である点も「やめとけ」といわれる理由の1つです。

できるだけ残業をさせない方針の職場もありますが、締め切り前は残業が当然という制作会社は少なくありません。顧客の要望や納期に合わせなければならず、残業が多くなりがちです。

Webデザインは顧客と何度もやりとりをして、理想的なものに仕上げていく工程が求められます。顧客が理想とする成果物を完成させるため、細かい修正を何度も加える場合は珍しくありません。

勤務先によっては、必要な作業人数が少なすぎる、納期の設定が短すぎるといった問題を抱えているケースも考えられます。

平均年収がそれほど高くない

企業の商品やサービスの認知度を上げ、信頼を獲得するWebサイトは、企業イメージに大きく関わります。重要度の高いWebデザイン・サイト運営に大きく関わるWebデザイナーは、年収が高いと思われがちです。

しかし実際はそれほど高くない現状があり、「やめとけ」と言われる原因になっていると考えられます。厚生労働省の職業情報提供サイトによると、Webデザイナーを含むデザイナー全体の平均年収は約479万円(2021年の賃金構造基本統計調査より)です。

国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」を見ると、給与所得者の収入の全国平均は443万円となっています。デザイナーの平均年収は全職種平均より高めではあるものの、拘束時間や求められる専門性を考えると、そこまで高くないといえるでしょう。

参考:
Webデザイナー - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁

トレンドについていくのが大変

Webデザインの世界は変化のスピードが速く、その時代に求められているトレンドに付いていかなければ、ニーズに即したWebサイトを作れません。

例えば、近年はパソコンだけでなくスマホの利用者に対応するため、タッチパネルでも見やすく操作しやすいページが求められています。ガラケーが主流だった頃とは、求められているものが全く違うのです。

新しい技術を習得したり、トレンドを追いかけたりするのがつらいと感じる人は、「Webデザイナーは大変だからやめとけ」と、周囲に漏らしたくなるでしょう。特に、残業が多い環境だと勉強したくても時間が取れず、ストレスを抱える結果になります。

Webデザイナーが成功する上で必要なもの

勉強する女性

(出典) photo-ac.com

挫折して辞めていく人もいますが、Webデザイナーとして活躍し大きな成功を収めている人もいます。Webデザイナーが成功する上で、何が必要なのか押さえましょう。

新しい知識やスキルを学ぶ姿勢

Webデザイナーに求められるスキルや知識は多いので、十分な勉強時間が必要です。Webデザイナーとして採用された後も、勉強時間を確保し常にアップデートしないと、新しい仕事を任せられるようにはなりません。

自分の得意分野を伸ばし、苦手分野をできるだけなくす努力を続ける覚悟が必要です。新しい技術やツールの使い方にアンテナを張り巡らせておくことは、作業効率のアップにもつながります。

Webデザイナー向けのサイトや雑誌などを積極的に活用し、最新技術や今後のトレンド動向などに注目する習慣を付けましょう。最新情報をインプットするだけで終わらせず、「仕事でどのように生かすか」という視点を持つことが大事です。

集中力や体力

Webデザイナーが成功するには、集中力や体力が必要です。Webサイトは新しい情報をすぐに更新できるスピードが魅力の媒体なので、Webデザイナーには即時対応が求められるケースが多くなります。

必要な修正をできるだけ素早く済ませ、納期に間に合わせるためには、集中力が欠かせません。自分なりに集中力を高める方法を見つけましょう。

勤務先によるものの、1人でいくつもの案件を同時に進めなければならない場合は多く、長時間拘束されるので体力も必要です。

何時間もパソコンに向かって作業を進めていると、体に負担がかかる可能性もあります。忙しい合間を縫って勉強しながらも、体のメンテナンスに使う時間を取る工夫が必要です。

コミュニケーション能力

Webデザイナーは。デザインだけしていればよい職業ではありません。顧客にヒアリングを行い、要望によりマッチするアイデアを提案する能力も求められます。なぜそのデザインが必要なのかを、説得力を持ってプレゼンする力も必要です。

勤務先によってはディレクターが顧客対応やマネジメントを担いますが、小さな制作会社ではWebデザイナーが対応を迫られるケースもあります。

また、プログラマーやディレクターなどと連携して作業にWebデザイナーには、顧客だけでなくチームメンバーとも良好な関係を築く、意識とノウハウが欠かせません。

Webデザイナーになる3つのメリット

パソコンを操作する手元

(出典) photo-ac.com

必要な知識やスキルが多く、不安要素が大きいと感じてしまった人もいるかもしれません。しかし、Webデザイナーには目指すに十分な魅力もあります。どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

身に付けられる知識やスキルが多い

Webデザイナーは学ばなければならない知識やスキルが多く大変な分だけ、身に付くものも多い職業といえます。

WebデザイナーからUIデザイナー・UXデザイナー・Webディレクター・Webプロデューサーなどに進む道もあり、汎用性の高い知識が身に付くところがメリットです。

UIデザイナーはユーザーインターフェースを設計する役割を持ち、UXデザイナーはユーザーがWebページを訪れた際に満足する体験を考え、デザインに落とし込みます。

Webディレクターは制作現場でマネジメントを中心に担当し、実務に関する責任を負う、チームのリーダー的な立場です。WebプロデューサーはWebサイトの事業責任を負う立場で、事前のマーケティングや予算の管理などを担います。

リモートワークがしやすい

WebデザイナーはパソコンやWebデザインに必要なソフトさえあれば、自宅でも仕事ができます。リモートワークを中心とした生活を実現できれば、ライフスタイルの変化に対応しやすいでしょう。

ただし、デザインに必要な各種ソフトを動かすには、スペックの高いパソコンが必要になります。パソコンデスクやワークチェアなども欠かせません。ただ、いずれも一度買ってしまえば長く使えるものなので、費用負担は最初だけです。

リモートワークを中心とした求人も豊富にあるため、転職サイトで調べてみましょう。スタンバイで「Webデザイナー リモートワーク」と検索すると、約2万件の求人が見つかります(2023年1月26日時点)。

Webデザイナー リモートワークの求人・仕事・採用|スタンバイでお仕事探し

将来フリーランスで活躍できる可能性も

Webデザイナーの経験を積んで高いスキルを獲得すれば、フリーランスになる道も見えてくるでしょう。フリーランスになるとより自由な働き方ができ、実力次第で収入アップも見込めます。

成功すれば、自分の得意分野や興味のある分野に特化したものだけを請け負うというように、仕事を選べるようになる点も魅力です。

ただし、フリーランスのWebデザイナーとして活躍するには、営業スキルやマーケティングスキルも必要となります。順調に顧客を獲得できなければ、収入が安定せず苦しい生活を強いられるでしょう。

Webデザイナーの将来性

デザイナーのイメージ

(出典) photo-ac.com

Webデザイナーはやめとけと言われると、将来性に何か問題があるのではないかと、不安になる人もいるでしょう。今後のニーズや、Webデザイナーとして生き残るためのポイントを紹介します。

デザイン系の職種のニーズは高い傾向

ITやWebデザインの世界は日進月歩であり、近年は動画を利用した表現の幅が広がっています。ITの進歩とともに、Webデザイナーの需要はますます増えていく見込みです。

新しい時代に対応するため、Webコンテンツの制作やリニューアルをしたいと考える企業は多く、今後の需要は伸びていくと考えられます。

近年はWebツールの性能が向上し、デザインやHTMLの知識がない素人でも見栄えがよいWebサイトを作りやすくなりました。Webデザイナーの仕事は、将来的になくなるのではないかと考える人もいます。

しかし、見た目を整えるだけでは、企業に利益をもたらすWebサイトは制作できません。専門的な知識を有効活用できるWebデザイナーになれば、仕事がなくなる心配はないのです。

生き残るには付加価値が必要

Webデザイナーになって将来的に活躍を続けるには、誰でもできるようなデザインではなく、「この人にお願いしたい」と思わせるような付加価値が必要です。

例えば、ページを早く表示させユーザーのストレスを減らしたり、企業の理念に合致するユーザビリティーに特化したWebサイトの提案ができたりといったスキルは高く評価されます。専門的な知識を使ってクライアントに貢献できる人材は、業界を問わず有用です。

Webサイトの構築にあたって「UI・UXデザイン」の知識がより求められる向きもあるため、UIやUX分野に強いWebデザイナーは需要が高いでしょう。

Webデザイナーになる方法

勉強している女性

(出典) photo-ac.com

Webデザイナーになるには、学校に通ったり独学で学んだりする必要があります。需要はあっても、何も知識がない未経験者が採用されるのは困難です。Webデザイナーになる方法を確認しましょう。

スクールで知識やスキルを学ぶ

Webデザイナーになるには、さまざまな知識やスキルを学ぶ必要があります。自己流でも学べますが、勉強する範囲が広いので何から手を付けるべきか分からなくなりがちです。

Webデザインを学べるオンラインスクールやWebデザイナー養成コースがある学校に通うと、基礎知識やツールの使い方を効率的に学べるでしょう。中には卒業後に就業をフォローしてくれるスクールもあります。

特に働きながら学びたい人は、オンラインスクールの利用がおすすめです。自宅にいながらも講師からアドバイスを受けられるので、独学より時間を無駄にせずに済みます。

転職サイトで未経験OKの求人に応募する

Webデザインの基本的な知識を身に付けた後は、転職サイトを利用すると効率的に仕事を探せます。Webデザイナーの求人を出している企業を探して、応募しましょう。

Webデザイナーに限らず、どの業界でも経験者が優遇されがちです。とはいえ、未経験や学歴不問などの条件を出している場合も少なくありません。

スタンバイでは、Webデザイナーの求人を豊富に掲載しています。希望する条件を追加して細かく絞り込めるので、自分に合った職場探しに活用しましょう。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら

転職先を見極めるポイント

履歴書を書く手元

(出典) photo-ac.com

Webデザイナーはやめとけと漏らす人は、そもそも労働条件が悪い会社に勤務している可能性もあります。転職先を見極めるポイントをチェックし、失敗を防ぎましょう。

制作費があまりにも安い会社は避ける

制作会社の中には、他社との差別化のために格安でWebサイト制作をしているところもあります。制作費が安い分を穴埋めするため、人件費を削減しているケースが少なくありません。

あまりにも常識外れな安さを売りにしている会社は、慎重に検討しましょう。本来もらえるはずの残業手当が出なかったり、持ち帰りで仕事をさせられたりといった問題が常態化している場合もあります。

また、常に求人を出している会社は離職率が高く、何らかの問題が潜んでいる可能性もあるので注意しましょう。

業務の範囲をしっかり確認する

Webデザイナーを募集していても、Webデザイン以外の業務の割合が高いケースも考えられます。業務の範囲について、入社する前に詳しく確認しましょう。

業務範囲が広ければ、それだけ多くのことを学べます。ただ、Webデザインをあまり担当させてもらえない状況では不満がたまりやすく、早期退職の原因になりかねません。

デザイナー1人でいくつの案件を抱えているかも、チェックしたいポイントです。規模が小さな制作会社では、1人で何役もこなすために業務量が多すぎるという事態が懸念されます。

Webデザイナー目指す上では冷静に判断を

パソコンを操作する手元

(出典) photo-ac.com

Webデザイナーは勉強しなければならない範囲が多く、最新のトレンドにも付いていかなければならない仕事です。残業が多いケースも多々あるので、表面的なイメージだけで転職を決めるのではなく、冷静な判断が求められます。

しかし、身に付けられるスキルが多い点は大きな魅力です。経験を積んでいけばWebディレクターやWebプロデューサーにキャリアアップする道や、フリーランスとして活躍する道も見えてきます。

やめとけと言われる理由や求められる能力を把握して、それでも挑戦してみたいと思えるのなら、成功できる可能性は十分にあるでしょう。