Webデザイナーは資格を持ってた方がいい?主な資格と必要性を解説

Webデザイナーの主な仕事は、Webサイトのデザインです。クライアントの要望を満たすサイトを表現するにはさまざまなスキルが求められるため、資格が必要と思う人もいるかもしれません。実際にはどうなのか、Webデザイナーと資格の関係を解説します。

Webデザイナーにおすすめの資格は?

デザイナーの作業デスク

(出典) photo-ac.com

Web制作に関連する資格には、さまざまなものがあります。中でもWebデザイナー向けとされる6つの資格を確認しましょう。

ウェブデザイン技能検定

ウェブデザイン技能検定は、厚生労働省の認定の下、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施する国家検定です。1級から3級まであり、合格すると履歴書に「〇級ウェブデザイン技能士」と記載できます。

試験の内容はWebデザインの知識や実務能力を問うものです。全ての級で学科試験と、実際にパソコンを操作する実技試験が実施されます。1級のみ学科試験を合格すると実技試験に進める流れで、実技はペーパー実技試験と作業実技試験の2本立てです。

合格すると厚生労働大臣から合格証書が交付される1級の合格率は、2020〜2021年を見ると20%台前半という狭き門となっています。未経験からのチャレンジなら、実務要件のない3級からスタートしましょう。

ウェブデザイン技能検定 - ウェブにかかわる全ての人のための、国家検定

Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験は、Web技術の世界的な標準化を目指すW3C(World Wide Web Consortium)が提示する、Web標準に準拠した試験です。2022年3月時点で、累計約3万9,000人が受験しています。

内容は、Webサイトの制作やデザイン・コーディングなどのスキルを測定するものです。資格は実技問題だけのスタンダードと、実技に加えて知識問題も受ける必要があるエキスパートの2つです。

合格すると、Webデザイナーに求められる基礎的なスキルを身に付けていることをアピールできます。Webデザイナーとして就職・転職する際に役立つでしょう。

Webクリエイター能力認定試験|資格検定のサーティファイ

Photoshop・Illustratorクリエイター能力認定試験

Photoshopクリエイター能力認定試験・Illustratorクリエイター能力認定試験は、画像編集ツールのPhotoshopや、イラスト・バナーといったグラフィックを作成するIllustratorの操作スキルや表現力を認定する試験です。

PhotoshopやIllustratorを使い、課題に従ってグラフィックコンテンツを制作します。資格はどちらも、実技試験のみのスタンダードと、知識試験もあるエキスパートの2種類です。

PhotoshopやIllustratorはWebデザイナーに欠かせません。資格を取得することで、操作スキルや知識を保有していることを証明できます。資格の取得という目的だけでなく、自分のスキルを磨くのにも役立つ試験です。

参考:
Photoshop®(フォトショップ)クリエイター能力認定試験│資格検定のサーティファイ
Illustrator®(イラストレーター)クリエイター能力認定試験│資格検定のサーティファイ

アドビ認定プロフェッショナル

Photoshop・Illustrator・Premiere Proという3つのアドビ製品について、それぞれのスキルを証明する資格です。2021年6月より、アドビ認定アソシエイトから名称が変更されました。

デザインの基本やWebデザイナーとして身に付けておきたい基礎知識を中心に問う問題と、試験会場で試験用マシンにインストールされているアドビ製品を使って取り組む操作問題があります。

試験対策を進める中で、基本的なスキルをしっかり身に付けられるできるでしょう。制作現場での作業効率も向上します。世界中で評価される国際資格なので、取得すればアドビ製品が使われている全ての仕事で有利になるはずです。

アドビ認定プロフェッショナル|Adobe Certified Professional

ITパスポート試験

ITに関する基礎的な知識を証明する国家資格です。Webデザイナーのスキルアップはもちろん、ビジネス全般に広く役立ちます。

試験勉強を通じて、ITに加えてAIやビッグデータなどの新しい技術・経営全般やマネジメント・情報セキュリティなど、幅広い分野を体系的に学べるのが特徴です。

特に論理的思考力や問題の分析・解決の手法に関する知識といった内容は、これからのビジネスパーソンに必須となるでしょう。

情報処理系の資格試験の中では難易度が低めで、受験資格もありません。Web業界で仕事をするなら、ぜひ取得しておきたい資格の1つです。

【ITパスポート試験】iパスとは

HTML5プロフェッショナル認定試験

HTML5やCSS3・JavaScriptなど、Webサイト制作に必要な技術や知識のレベルを認定する試験です。

Webコンテンツを設計段階から制作できる、アプリケーションの開発ができるなどの、認定基準に準じた試験に合格することで取得できます。レベルは1と2の2段階です。

5年間の有効期限がある点が、ほかの資格と異なります。Web技術の進歩や変化のスピードが速いためでしょう。

有効期限内に再認定を受ければ、最新のスキルを身に付けている証明になります。ただし有効期限を過ぎたからといって、認定が取り消されることはありません。

Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト

資格を取得する方法

セミナーのイメージ

(出典) photo-ac.com

Webデザイン関連の資格を取得するための勉強方法は、大きく分けてスクールと独学の2つです。スクールは体系的・効率的に学べます。コストを抑えながら自分のペースで勉強したい人は独学がよいでしょう。それぞれのメリットを紹介します。

スクールで学ぶ

資格取得の方法としてまず挙げられるのが、Webデザインの専門学校やオンラインスクールで学ぶことです。独学に比べて費用はかかるものの、Webデザインに関する知識や実技を体系的に学べる、分からないことを質問しやすいといったメリットがあります。

通学型のスクールなら、同じ目標に向けて学ぶ仲間がいてモチベーションを維持しやすいでしょう。スクールによっては、現役のWebデザイナーから指導を受けられたり、資格試験に関する情報を得られたりする可能性もあります。

働きながらスキルを身に付けたい人は、ライブ授業や動画で学べるオンラインスクールがよいでしょう。

本やインターネットで独学する

資格取得にコストをかけられない・自分のペースで学びたいという人には、本やインターネットを利用した独学がおすすめです。特に資格の公式テキストや過去問題集は、学習のポイントや出題傾向をつかむのに役立ちます。

知識を一通り習得できたら、実際にツールを操作したりサイトをデザインしたりしてみましょう。本やテキストを読んで理解したつもりでも、実技でうまく使えないケースもあります。

資格試験の勉強方法やノウハウを無料で公開しているサイトや動画もあるので、積極的に活用しましょう。モチベーション維持のために、SNSで同じ資格の取得を目指している人を探して、交流するのもおすすめです。

Webデザイナーに資格は必須?

膝の上でパソコンを操作する女性

(出典) photo-ac.com

Webデザイン関連の資格にはさまざまなものがありますが、Webデザイナーには特に必要ないという意見も聞かれます。実際のところはどうなのか確認しましょう。

必須ではないが転職に有利になる

Webデザイナーにとって資格は必須ではありません。資格の有無よりもスキルが重視される仕事です。ただし資格は、どの程度デザインができるか、ツールを操作できるかという目安になります。

就職や転職の際には自己アピールできるだけでなく、企業が採用を判断するポイントにもなるでしょう。有利になる可能性が高いので、自分のスキルを確認する意味でも、時間やお金に余裕があるなら挑戦してみるのがおすすめです。

未経験からWebデザイナーを目指す人なら、資格の勉強をすることで効率的にWebデザインやツールの使い方を学べるメリットも感じられます。

Webデザイナーが資格なしで働くなら

Webデザイナーは資格がなくてもできる仕事です。しかし未経験でWebデザイナーとして働きたい、周囲が皆資格を持っているといった場合には、スキルを証明するものがなく不安に感じるかもしれません。

Webデザイナーが資格を持たず働く場合に、心掛けたいポイントを紹介します。

経験を積んでスキルを磨く

資格がなくても、Web制作会社などで経験を積み、スキルを磨けばWebデザイナーとして成長できます。

もともと特別な資格は必要ないので、未経験可でWebデザイナーを募集しているケースも少なくありません。資格取得はスキルを身に付けてからでも遅くないでしょう。

実際、スタンバイで未経験OKのWebデザイナーで検索すると、3万件を超える求人情報を確認できます(2023年1月29日時点)。

ただし、Webデザインやツールに関する基礎知識は必要です。まったく知識がない状態から始めると、Webデザイナーとして活躍できるようになるまで長い時間がかかってしまうでしょう。 

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ポートフォリオを作る

ポートフォリオはWebデザインやコーディング・企画力や表現力など、自分のスキルをアピールするのに役立ちます。応募の際に求められる場合も多いので、未経験の人も勉強する中で作った制作物をまとめ、ポートフォリオを作っておきましょう。

資格がなくても実際のサイトデザインを提示できれば、自分が持っているスキルの証明として十分です。こだわった点や工夫した点なども、コメントとして付け加えておくとさらにアピールしやすくなります。

Webデザイナーとして転職に成功した後も、ポートフォリオは定期的に追加・更新しましょう。最新のスキルをアピールできるだけでなく、見返す度に自分の成長を実感できます。

Webデザイナーが身に付けたいスキル

デザイナーのイメージ

(出典) photo-ac.com

資格は未経験者がスキルを証明するのに役立ちます。ただ、Webデザイナーにとって重要度が高いのはスキルです。身に付けておきたいサイト作成スキルと、あると有利になるビジネススキルも押さえておきましょう。

サイト作成スキル

Webデザイナーの主な仕事は、クライアントや自社の目的やニーズに合わせてサイトをデザインすることです。

テーマカラーや配色・画像やボタンの配置など、設計時に設定したトータルイメージに合わせて作り上げるために、デザインの知識が求められます。グラフィックツールの操作も必須です。

デザインした通りにサイトを表示するためのコーディングまで、Webデザイナーが担うケースも多くあります。コーディングもできた方需要が高まるでしょう。フロントエンドのプログラミングもできると、さらに仕事の幅が広がります。

ビジネススキル

Webマーケティングやマネジメントといったサイト制作以外のスキルも、身に付けておくとWebデザイナーのキャリアに役立つでしょう。

Webマーケティングの知識はユーザーの興味を引いたり、購入を促したりするサイトの制作に活用できます。マネジメントスキルは、制作に携わるメンバーをまとめ、予定通りに作業を進める上で不可欠です。

サイト制作は、クライアントに対してヒアリングするところから始まります。コミュニケーションスキルや要望を的確にくむ力も、顧客と信頼関係を結び、ニーズを引き出すために大切です。

相手が相談したくなるような雰囲気や、話を聞く姿勢を日ごろから心掛けましょう。

スキルを磨いてWebデザイナーを目指そう

パソコンを操作する手

(出典) photo-ac.com

Webデザイナーに特別な資格は必要ありません。ただ、まったくの未経験からWebデザイナーを目指すなら、持っていた方が有利になることは確かです。紹介したスキルを伸ばしつつ、資格勉強を通じた知識の習得も検討しましょう。

ただ、ある程度の基礎知識があるなら、未経験OKの求人に応募して実践的な技術を磨いていくのも1つの手です。スタンバイのように掲載数が豊富な求人サイトを活用すれば、働きながらでも転職活動を効率的に進められます。

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