カスタマーサポートの仕事内容は?役割や将来性についても紹介

カスタマーサポートは、顧客の声を第一線で聞く重要な役割を担っています。ブランドイメージの顔として対応するため、責任のある仕事です。デジタル化の進んだ昨今では、カスタマーサポートを通じたより良い顧客体験の提供を目指す企業も増えています。

この記事のポイント

カスタマーサポートの仕事内容
カスタマーサポートには、「問い合わせ対応」と「顧客管理」の2つの役割があります。
カスタマーサポートに求められるスキル
カスタマーサポートの仕事をするにあたっては、コミュニケーションスキルに加え、冷静さや柔軟性が求められます。
カスタマーサポートの近年の動向
昨今のカスタマーサポートは、顧客体験の向上に注力しています。

カスタマーサポートの仕事内容は?

テレオペシーン

(出典) pixta.jp

「カスタマーサポート」と聞くと、「黙々と電話対応をする仕事」と考える人も多いのではないでしょうか。改めてカスタマーサポートの仕事内容・役割を整理していきましょう。

問い合わせ対応

カスタマーサポートの主な役割は、受電業務による既存顧客からの問い合わせ対応です。商品・サービスの不明点やクレームについて、個別に対応します。

さまざまな業界にカスタマーサポートは設置されており、ECサイト・インターネットサービス・保険業など、幅広い領域で顧客対応を任されています。

カスタマーサポートは、ユーザーの声を直接聞く仕事です。対応の品質によって、顧客の抱くブランドイメージに直結するため、重要な立場を担っているといえます。

情報収集と顧客管理

カスタマーサポートの仕事は、単純な顧客対応にとどまりません。顧客の声を吸い上げ、その後の満足度向上を図る重要な役割も果たします。

そのために、カスタマーサポートは顧客管理を行います。顧客管理とは、問い合わせのあった顧客の氏名・購入履歴・担当者などを記録・管理する行為です。

問い合わせ内容・回答内容をデータベース化し、マーケティング施策などに活用します。また、顧客を離さないための定期的な提案・サポートも顧客管理の一環です。

カスタマーサポートと他業種との違い

ヘッドセットとパソコン

(出典) pixta.jp

カスタマーサポートと似た業種に「コールセンター」「ヘルプデスク」があります。次に、それらとカスタマーサポートの違いについて見ていきましょう。

コールセンターとの違い

コールセンターとカスタマーサポートは、顧客対応業務を担当する点で近い業種だといえます。コールセンターの特徴は、電話対応に特化している点です。一方のカスタマーサポートは、電話以外にメール・チャットなどの対応も担当します。

また、ターゲットとする顧客層にも違いがあります。既存顧客を中心に対応するカスタマーサポートに対し、コールセンターではアウトバウンドによって新規顧客の獲得を目指す場合も少なくありません。

ヘルプデスクとの違い

「ヘルプデスク」と呼ばれる窓口では、製品の使い方や知識の説明など、より専門的・技術的な疑問を扱うケースが多くみられます。社外向けに開かれているカスタマーサポートに対し、社内向けのものがあるところもヘルプデスクの特徴です。

コールセンター・ヘルプデスクともに違いはありますが、顧客やユーザーの疑問を解消するという目的は変わりません。

カスタマーサポートに求められるスキル

オフィスで働く女性オペレーター

(出典) pixta.jp

カスタマーサポートの仕事をするにあたって、資格は必須ではありません。しかし、求められるスキルはあります。以下では、カスタマーサポートに求められる主なスキルを4つ解説します。

コミュニケーションスキル

カスタマーサポートは、電話を中心に顧客とコミュニケーションを取る仕事です。「人と話すのが好き」と考える人に向いている仕事といえます。

ただし、単に話し上手というだけでは、幅広い顧客の対応は難しいでしょう。距離感や意図を察しながら、相手の困りごと・悩みを聞き出す必要があります。

専門的な知識が必要となる相談では、他の部署へ依頼することになります。相手が何を求めているのか、傾聴する姿勢も求められる業務です。カスタマーサポートの業務では、基本的に相手の顔が見えないため、相手が安心できる声の抑揚・トーンも必要です。

事務処理能力

カスタマーサポートでは、問い合わせを受けながら顧客の情報を入力します。パソコンの操作が得意・データ入力の経験がある人は、スキルを発揮できる場が多いでしょう。

また窓口を設置している業界によっては、繁忙期もあります。繁忙期には、複数の事務作業を並行して進める力も必要です。

冷静さと柔軟性

多くの問い合わせに対応していると、マニュアルにないような不測の事態・トラブルが起こり得ます。

困りごとのある顧客は、ナーバスな状況で問い合わせをするケースが多い傾向です。中には、理不尽な怒り方をする顧客・高圧的な態度でクレームを入れる顧客もいるでしょう。

そこでクレームに対しても感情的にならない冷静さと、気持ちを切り替える柔軟性が重要です。焦ったり感情的になったりすると、顧客からの信頼を失いかねません。

学ぶ姿勢

学び続ける姿勢を持つことも大切です。顧客のニーズや市場環境は常に変わるため、新しいスキルや知識を積極的に学び続ける姿勢が求められます。

例えば商品知識・業界の動向を理解した、的確な説明ができることは、顧客の信頼を得るための要素です。顧客の疑問に迅速に対応し、トレンドを反映した提案ができれば、満足度の向上につながります。

また、新しい技術やツールを活用し、業務の効率化やサービス改善に貢献する力も重要です。継続的な学習意欲があれば、変化に対しても柔軟に対応でき、顧客との信頼関係を築くことが可能です。

カスタマーサポートのやりがい

コールセンターで電話対応するオペレーターの女性

(出典) pixta.jp

カスタマーサポートの仕事を通じて得られるやりがいには、どのようなものがあるのでしょうか。カスタマーサポートで働くメリットを3つ紹介します。

会話力が身に付く

カスタマーサポートは、顧客の困りごとを解決する仕事です。日々の対応を通じて、ビジネスシーンで必要な敬語や話し方が自然と身に付きます。研修で基本的な対応ルールを学んだ後、実務を重ねることで会話力にさらに磨きをかけられるでしょう。

また、周囲からのフィードバックを活用して自分の話し方の癖を把握し、より分かりやすく伝える力を養えます。身に付けたスキルは仕事だけでなく、日常のコミュニケーションでも役立てることが可能です。

マニュアルに沿った業務を進められる

「問い合わせ対応は難しそう」と感じる人もいるかもしれません。しかし、カスタマーサポートでは充実したマニュアルが用意されているため、未経験でも安心して始められます。

カスタマーサポートならではの難しさもありますが、業界知識がなくても、基本的な対応方法を学びながら業務を進められるのが魅力といえます。また、接客経験がある人ならば、培ったコミュニケーションスキルを生かせるでしょう。

顧客の生の声が聞ける

カスタマーサポートは、企業と顧客をつなぐ役割を担います。商品やサービスに関するリアルな意見を直接聞けるため、顧客の本当のニーズの把握が可能です。

企業やブランドの顔として対応する責任ある仕事ですが、「あなたが担当で良かった」「困りごとが解決して助かった」といった感謝の言葉をもらえる機会もあります。相手の喜びを自分のやりがいにつなげられる人には、特に向いている仕事だといえるでしょう。

カスタマーサポートの将来性は?

コールセンターで働く女性

(出典) pixta.jp

続いて、カスタマーサポートの動向・将来性について見ていきます。昨今では仕事の現場にAIが関わるケースも増えていますが、カスタマーサポートの業務にも影響はあるのでしょうか。

近年の動向

従来、顧客からの対応は全て人力で実施していました。昨今ではAIの導入を背景に、「よくある質問」などの対応は自動化されつつあります。

簡単な問い合わせ内容であればチャットによる自動対応、複雑な内容であればオペレーターによる対応という業務スタイルも広まっています。

近年、より重視されるようになったのが顧客体験(CX)です。CXとは「カスタマーエクスペリエンス」の略称であり、顧客が商品・サービスを購入してから利用するまでの一連の流れを指します。

AIによる正確な回答が出せるのはメリットですが、顧客への思いやりや感動体験の提供は、人の力で実現しなければなりません。多くの企業が、カスタマーサポートを通じた顧客体験の向上により注力するようになっています。

<h3>チャットボットの導入</h3>
AIの導入によって定型的な問い合わせへの対応は自動化されつつあります。この自動的なチャット対応をするのがチャットボットと呼ばれるものです。24時間対応の実現やオペレーターの負担軽減・人件費削減など、チャットボットの導入目的は多岐に渡ります。

チャットボットはいつでも対応可能であり、顧客体験の向上にも貢献しています。パーソナライズされた提案やデータ分析も行えるため、企業と顧客の双方にメリットがあります。

オムニチャネル化

「オムニチャネル」はまだ広く知られている言葉ではありませんが、昨今のマーケティング分野で注目されています。オムニチャネル(Omni Channel)を直訳すると、「全ての接点」といった意味になります。この場合の「接点」は、企業と顧客の接点です。

オムニチャネル化とは、販売~購入、その後の利用体験まで、顧客とのあらゆる接点を横断して自社のサービスを提供するというCX戦略を指します。

企業がオムニチャネル化を成功させるためには、顧客の声を直接聞くカスタマーサポートの存在が不可欠です。現代のカスタマーサポートは、メールや電話、チャットなどで接触のあった顧客の情報をデータベース化するという重要な役割を担っています。

カスタマーサポートの今後の役割

カスタマーサポートにチャットボットをはじめとするAIの導入が進んでいるのは事実ですが、複雑な課題や思いやりのある対応は、人間ならではの仕事です。

「問い合わせ対応」という従来の業務に加えて、顧客体験向上のための提案など、積極的に動く役割が求められているともいえます。

カスタマーサポートは今後も重要な仕事

ヘッドセットをつけた笑顔のオペレーター

(出典) pixta.jp

カスタマーサポートは顧客の声を第一線で聞き、それを社内で共有する大切な役割を持っています。企業と顧客をつなぐ存在として、今後も重要な仕事であり続けるでしょう。

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