グラフィックデザイナーの仕事とは?年収アップの方法や面接対策も

グラフィックデザイナーは何をデザインするのか、どんなスキルが必要なのか、これからグラフィックデザイナーを目指す人向けに、具体的な仕事内容を見ていきます。面接対策やポートフォリオ作成のポイント、高収入を得る方法も解説します。

グラフィックデザイナーには種類がある?

デザイナーのデスク

(出典) photo-ac.com

グラフィックデザイナーは、デザインする対象の違いによって、広告・出版系グラフィックデザイナーと、ゲーム系グラフィックデザイナーの2種類があります。各デザイナーの仕事内容を具体的に説明します。

広告・出版系

広告系グラフィックデザイナーは、パンフレットやチラシといった紙媒体や、Web上に載せるグラフィックをデザインしています。クライアントのニーズをくみ取り、デザインとして作成するのが仕事です。

大掛かりなプロジェクトの場合は、コピーライターやフォトグラファーとの連携も少なくありません。グラフィックデザイナーとして活躍するには、制作会社などで数年間アシスタントをしながら、デザインスキルを身に付けていくのが一般的です。

スキルを磨いて実績を積めば、クリエイティブディレクターにキャリアアップしたり、大手企業の広告制作に加わったりと、仕事の幅を広げていけるでしょう。

ゲーム系

ゲーム系グラフィックデザイナーとは、ゲームの世界観を構築するための、グラフィックをデザインする仕事です。主にキャラクター・背景・モーション・エフェクトをデザインします。

ゲーム系の仕事は一人で全てを担当するのではなく、それぞれの制作作業が分業化されているのが特徴です。各作業を担当するデザイナーがチームを組み、1つのゲームを作り上げていきます。

グラフィックデザイナーになるためには、基礎的なデッサン力だけでなく、CGに関する知識も必要です。最近は3Dゲームが主流ですが、スマホ用の2Dのゲームもあるため、どちらか得意な分野を担当するのが普通です。

他のデザイナーとの違いは?

パソコンを操作する

(出典) photo-ac.com

グラフィックデザイナー以外にも、デザインスキルが必要とされる職種はあります。グラフィックデザイナーと、他のデザイナーとの違いを見ていきましょう。

イラストレーターとの違い

グラフィックデザイナーが、パンフレットや広告の企画からレイアウト、印刷設計まで幅広く携わるのに対し、イラストレーターはイラストを描くのが主な仕事です。イラストレーターが描いた作品を使って、グラフィックデザイナーが広告を制作することもあります。

イラストの雰囲気によって制作物全体の印象が決まるため、クライアントのニーズに合わせて作品を描く技術が必要です。また、デザインスキルに加えて、他のイラストレーターと差別化するための個性や特性が強みになります。

テクニカルイラストレーターや、メディカルイラストレーターなど、特定の分野に特化したイラストレーターもいます。

webデザイナーとの違い

グラフィックデザイナーが、チラシやパンフレットなどの紙媒体を中心としたデザインを手掛けるのに対し、webデザイナーはwebサイトのデザインを手掛ける職種です。どちらもできる人もいますが、基本的にはそれぞれ求められる能力が異なります。

さらに、グラフィックデザイナーの仕事は、デザインが完成すれば終わりですが、webデザイナーの場合はデザイン完成後に、プログラムを作るコーディングと呼ばれる作業をします。サイトの更新に合わせて、デザインの修正作業が必要になる場合もあります。

アートディレクターとの違い

アートディレクターは、グラフィックデザイナーを含めたクリエイターたちを管理し、プロジェクト全体をまとめる役割を果たします。

自分でデザインする作業はほとんどなく、デザイン制作の進捗状況の確認や、各デザイナーが作成したデザインのチェック、修正依頼が主な仕事です。クライアントからデザインのコンセプトをヒアリングしたり、制作物を提出して最終的な確認をしたりと、社外の対応窓口の仕事もあります。

直接デザインはしないものの、デザイナーとしての知識は必要なので、グラフィックデザイナーがキャリアアップして、アートディレクターになるケースも少なくありません。

グラフィックデザイナーに向いている人

事務作業をする女性

(出典) photo-ac.com

グラフィックデザイナーには、どのような人が向いているのでしょうか。コミュニケーション力や、根気強さなど、必要なスキルや特性を紹介します。

コミュニケーションスキルのある人

グラフィックデザイナーには、コミュニケーションスキルが求められます。デザインを完成させるまでには、クライアントとのやり取りはもちろん、一緒に制作する他のスタッフとのコミュニケーションも必要になるからです。

クライアントの意図を正しく理解するためにも、コミュニケーションを日頃から鍛えておきましょう。会話するときに相手の話をよく聞いたり、自分の考えをはっきり伝えたりするよう意識するだけでも、コミュニケーションスキルを磨く役に立つでしょう。

基礎的なデザインスキルがある人

仕事としてデザインするなら、基礎的なデザインの知識は欠かせません。デザインの基礎知識といってもさまざまですが、まずはレイアウトの知識を身に付けるといいでしょう。

グラフィックデザイナーにとって、感性やセンスも重要ですが、これらのスキルはデザイン理論を学べば後から磨けます。どのようなデザインも、レイアウトの基本の上に成り立っているので、基礎知識がしっかりあれば、大胆なデザインも描けるようになります。

トレンドに敏感な人

広告をデザインするグラフィックデザイナーなら、トレンドを敏感にキャッチできる能力も必要です。広告を制作する際は、ターゲットになる人々の間ではやってっっっっっっdいるのは何か、世間ではどのようなものが評価されるのかを、押さえておくのが肝心です。

普段からアンテナを張り巡らせて、さまざまな媒体をチェックしながら、世間で何が話題になっているかリサーチしておきましょう。デザインの分野だけでなく、エンタメやニュースも含めて、幅広いジャンルに目を向ければ、それだけトレンドに敏感になれます。

根気強く柔軟性がある人

グラフィックデザイナーには、根気強さや柔軟性も必要です。提案したデザインが一度でOKになることはめったにありません。何度も修正が入るのは珍しくなく、最初からやり直さなければならない場合にも対応できる根気強さが大切です。

また、自分が良いと思ったデザインでも、クライアントが納得しなければ通すことは不可能です。自分のアイデアを押し付けるのではなく、クライアントの要望を取り入れながら作り上げていける柔軟性が試されます。

グラフィックデザイナーの収入アップ方法

パソコンとペンタブ

(出典) photo-ac.com

グラフィックデザイナーが高収入を得るためには、どうすれば良いか気になる人もいるでしょう。グラフィックデザイナーが収入をアップさせる、3つの方法を見ていきます。

スキルアップする

グラフィックデザイナーが高収入を得るためには、やはりスキルを伸ばすことが基本です。デザイン理論がしっかり身に付いていない人は、スクールや教材で基礎から学び直してみるのもよいでしょう。

技術を向上させるためには、優れたデザインを模写する練習も効果があります。自分のスキルを客観的に示すには、資格を取得するのもおすすめです。

グラフィックデザインの知識に加えて、Webデザインやコピーライティングも身に付けておけば、仕事の幅が広がり、将来独立したときにも役立ちます。

転職する

努力してデザインのスキルを磨いたとしても、会社の給与規定によって、年収はある程度決められています。今の会社にいても、これ以上の収入アップは見込めないと思ったら、より高収入を得られる企業に転職するのも1つの方法です。

グラフィックデザイナーから、ユーザーにとって使いやすい・心地良いWebデザインを追求するUI/UXデザイナーや、Webデザイナーにジョブチェンジもできます。ただし転職先が決まるまで、会社を辞めるのは待った方がいいでしょう。

転職を成功させるには、会社を辞めるまでにできるだけ実績を積んで、スキルアップを図り、自分の市場価値を高めることが必要です。

独立する

グラフィックデザイナーとして活躍している人の中には、独立して高収入を得ている人もいます。会社を辞め、フリーランスとして働くメリットは、報酬の大部分がそのまま自分の収入になることです。

条件の良い仕事を複数請け負えば、それだけ収入は増えていきます。ただし独立して仕事をするには、デザインのスキルだけでなく、営業力や交渉力、自己管理能力も必要です。

フリーランスには、収入が安定しないというデメリットもあるため、会社員の頃から人脈を広げておくといった下準備が重要です。いきなり独立するのではなく、副業から始めてみるのもよいでしょう。

グラフィックデザイナーの面接対策は?

面接の様子

(出典) photo-ac.com

グラフィックデザイナーになるには、広告制作会社などに入社して経験を積むのが近道です。グラフィックデザイナーの面接に必要な対策を紹介します。

よくある質問の答えを用意しておく

対策の1つは、面接でよく聞かれる質問に対して、自分なりの答えを用意することです。グラフィックデザイナーの面接では、尊敬しているグラフィックデザイナーや、自分の強み、過去の制作物についてよく聞かれます。

尊敬するグラフィックデザイナーを聞かれた際は、単に名前を挙げるだけでなく、そのデザイナーに関連する有名作品や、歴史的背景まで答えられる準備が大切です。

自分の強みはしっかり自己分析して、アピールできるようにしておきましょう。過去の制作物は思い入れで選ぶのではなく、どれだけ数値的な成果があったか、伝えられる制作物を選ぶのがコツです。

ポートフォリオを作っておく

自分のデザインをまとめたポートフォリオも大切です。グラフィックデザイナーの面接では、スキルや実績を知るために、しばしばポートフォリオの提出を求められます。

過去の実績を紹介する際も、ポートフォリオを見せながら説明した方が、分かりやすいメリットもあります。ポートフォリオは一度作って終わりではなく、常にアップデートさせて最新のものを用意しましょう。

また、Web上に作成するだけでなく、面接官に手渡せるように、紙のポートフォリオも作成するのがおすすめです。

ポートフォリオを作るポイント

タブレットでデザインする女性

(出典) photo-ac.com

ポートフォリオは自分の作品をまとめるものですが、作成するときに押さえるポイントや注意すべき点があります。どのような点に気を付けて作れば良いか、要点を解説します。

ターゲットに合わせて作る

ポートフォリオを作る際は、応募する企業のニーズに合ったデザインや、仕事の実績をまとめるのがポイントです。ポートフォリオは自分のスキルを示すのが目的なので、単なる過去の作品集になっては意味がありません。

どれほど優秀なデザインを載せたとしても、相手が求めているものでなければ、採用されるのは難しいでしょう。例えば、チラシを制作するグラフィックデザイナーの採用面接で、CGを駆使した作品を見せてもニーズを満たした人材とは言えません。

企業のニーズとのミスマッチを防ぐために、応募する側が必要とするスキルのリサーチが重要です。

著作権や秘密保守に気を付ける

自分のアイデアによるデザインだとしても、基本的に納品した時点で、著作権はクライアントに移行します。

ポートフォリオは個人使用ですが、クライアントとのトラブル防止や、応募先からの信頼獲得のために、あらかじめ掲載許可を取っておく方が無難です。ポートフォリオへの使用許可が出ない作品・未公開作品をポートフォリオに掲載するのは、トラブルの元になります。

クライアントと秘密保持契約を締結している以上、機密漏洩につながらない配慮も大切です。Webでポートフォリオを作るときは、画像やデータを第三者が保存できないように、ベーシック認証などのアクセス制限を掛けましょう。

グラフィックデザイナーはクリエイティブな仕事

デザイナーの女性

(出典) photo-ac.com

グラフィックデザイナーには、大きく分けて広告系とゲーム系の2種類があります。それぞれの分野によって表現の方法に違いはあるものの、どちらも自分のアイデアを形にするクリエイティブな仕事です。

グラフィックデザイナーになるには、制作会社やデザイン会社などで勤務しながら、スキルを身に付けていくのがおすすめです。実績を積んでスキルを磨けば、クリエイティブディレクターや、アートディレクターにキャリアアップしたり、独立して活躍したりするのも夢ではないでしょう。

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