ガラス職人は、主にガラス製品を作ったり、加工したりする人を指します。工芸家のイメージもありますが、それだけではありません。一般的な仕事内容や年収、向いている人の特徴も紹介します。併せて、仕事にまつわるやりがいと注意点も確認しましょう。
「ガラス職人」とは
ガラス職人とは、どのような職業なのでしょうか?まずは仕事の概要や、一般的な年収について確認しましょう。
ガラス製造や加工に携わる仕事
「ガラス職人」は、形成・研磨・成形・カッティング・彫刻など、ガラス製品の製造や加工に携わる仕事です。ガラス製品にも医療機器など精密機械の部品から家の窓ガラス、伝統工芸品まで、さまざまな種類があります。
このため一言でガラス職人といっても、携わる業界によって、勤務先や業務内容が異なるでしょう。工場での勤務となる場合もあれば、工房でオリジナル作品を作り、販売する場合もあります。
年収は約439万円
厚生労働省の職業情報紹介サイト「jobtag」によると、ガラス食器製造を職業とする人の平均年収は439万1,000円です。
ガラス食器製造は、職業分類としては窯業・土石製品生産設備オペレーター、窯業・土石製品製造工とされており、ガラス製造や加工に携わる職業の多くが該当するでしょう。
なお、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、2023年の給与所得者の平均給与は460万円です。ガラス食器製造の年収は、平均よりもやや低いといえます。
出典:ガラス食器製造 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
ガラス職人を目指す方法
ガラス職人になる上で、原則的に資格は必要ありません。しかし、就職・転職のしやすさを考えると、身に付けておいた方がよいスキルもあります。主な目指し方について確認していきましょう。
学校や工房で技術を身に付ける
大学や専門学校には、「工芸学科」や「ガラス工芸科」があります。専門の学科でガラスの加工技術を身に付ければ、就職・転職にも役立つでしょう。
時間や家計にゆとりがある状況なら、まずはこうした学校に通ってみるのもよいかもしれません。完全に未経験でも、基本的な知識や技術を最初から学べます。
工房に弟子入りして技術を身に付ける方法もあります。働きながら学びたい人は、工房に雇ってもらう道も検討しましょう。
未経験可の求人に応募する
ガラス職人の仕事は、未経験でも応募できるものが多くなっています。
学校に通ったり職人に弟子入りしたりするのは金銭的な面で不安が大きいものですが、そうしないと仕事ができないわけではありません。正社員の求人を探して応募し、採用されればガラス職人として働くことは可能です。
求人情報一括検索サイト「スタンバイ」でも、ガラス職人の仕事が探せます。転職を考えているなら、気になる分野の募集を探してみましょう。未経験可の求人であれば、経験を不安に感じることもないでしょう。
ガラス職人に向いている人の特徴
ガラス職人には、どのような人が向いているのでしょうか?仕事を探す前に自分の向き不向きも考えておくと、適性を見誤るリスクを減らせます。
集中力があり責任感の強い人
ガラスの製造や加工は、細かい作業が多くなります。失敗を防ぎ、安全に作業を進めるためにも集中力が必要です。細かい作業が苦にならず、作業に没頭できる人は向いているでしょう。
また、仕事としてガラスの製造や加工に携わる以上、責任感も求められます。最後まで気を抜かず、同じ作業をコツコツ繰り返さなければなりません。
地道に仕事に取り組み、厳しい環境に負けることのない責任感がガラス職人には必要といえるでしょう。
体力とセンスを備えている人
ガラス職人には、製品を作りあげる体力と、加工や処理をうまくこなすセンスの両方が求められます。
例えば、ガラスの処理は熱いうちに行わなければなりません。熱い作業場で長い時間を過ごすだけでも、体力が奪われてしまうでしょう。
さらに、形を整える作業も素早く行う必要があります。周囲に教えてもらうことはできますが、感覚は自分で覚えなければなりません。
手の動かし方や作業のタイミングを覚えるセンスのよさがあれば、仕事が身に付くのも早いでしょう。
ガラス職人のやりがいと目指す上での注意点
ガラス職人には、やりがいがあるとともに注意点もあります。主なやりがいと、目指す上で注意しておきたいポイントをそれぞれ確認しておきましょう。
製造から販売までの過程で達成感が得られる
ガラス職人になると、主にガラス製品の製造や加工に携わることになります。場合によっては販売まで対応するため、各工程で達成感を得られることが主なやりがいです。
製造や加工では、うまく製品が作れれば、達成感が得られます。慣れてくればスピードもアップし、さらにやりがいが生まれるでしょう。
工芸品制作の場合は、併設の店舗で販売するケースも多く、自分の製品を購入してもらえることに喜びを感じることもあります。客の声を直接聞ければ、次の制作への励みにもなるでしょう。
収入が不安定になるケースも
ガラス職人には、収入が不安定になるリスクもあります。大手の会社で需要が安定している場合はそこまで問題はないものの、小規模な会社や自営業になるとリスクは高まるでしょう。
特に、自作の工芸品や加工品を製造・販売する場合、個人事業の形態になりやすいといえます。勤め先が個人事業の工房では、保険加入や福利厚生などの面でもデメリットがあるかもしれません。
また、作品が売れなければ収入にはならないため、販売ルートの開拓や営業活動に時間を取られる可能性もあります。職人の仕事に集中しつつ、収入を安定させたいなら、条件面を確認した上で慎重に検討しましょう。
ガラス職人は繊細な手作業が求められる仕事
ガラス職人は、ガラス製造や加工などのガラス関連業務に就く職人を指します。勤務先はメーカーや工房など幅広く、携わる業務もそれぞれ異なります。気になっている業界があれば、求人をチェックしてみましょう。
職人として活躍するには、作業環境に適応するための体力や、細かい作業をスムーズにこなすための能力が欠かせません。収入や働き方にまつわる条件などもしっかりと確認し、自分に合う仕事を見つけましょう。