照明デザイナーは、照明デザインに関する業務を担う職種です。具体的にどのような仕事があるのか、仕事内容や求められる能力について解説します。仕事を始めるために何をすればよいのか、これから目指す方法も確認しましょう。
照明デザイナーの具体的な仕事内容
照明デザイナーには、多くの仕事があります。主な仕事内容と、業務の特徴を確認しましょう。まずは、やりたい仕事があるかどうかを把握した上で、就職や転職を検討することをおすすめします。
照明器具の製作や配置の提案
照明デザイナーの仕事には、照明を製作し配置の提案などを行う「プロダクトデザイン」があります。家庭やオフィスなど、さまざまな空間の照明をデザインすることが特徴です。
プロダクトデザインには、照明作りの知識や、インテリアセンスが求められます。単なるイメージでのデザインとは異なり、光の広がり具合や明るさなど、光に関する知識も求められるでしょう。
幅広い知識と技術を持った人が、プロダクトデザインの仕事に向いています。状況によっては、照明以外の家具や壁紙など、全体的な空間のデザインも対応することになるでしょう。
イベントや施設の演出・計画
照明デザイナーは、イベントの企画や施設内の照明演出などを求められることもあります。
例えば、都市に設置する街灯のデザインを手掛けるのも、照明デザイナーの仕事です。また、イルミネーションイベントの計画や演出も、照明デザイナーに依頼されます。
施設内の照明デザインについては、商業施設・美術館・博物館など、照明が重要な役割を果たす施設が該当するでしょう。都市空間や施設など、大掛かりな照明デザインを担当するには、建築知識のほかに、実績や経験も求められます。
舞台のライティング
映画や舞台では、照明の演出が重要な役割を果たします。舞台照明の演出や、実際のライティングを担当するのも、照明デザイナーの仕事です。
舞台はリアルタイムに進んでいくため、ライティングには判断力や舞台装置の知識などが求められます。常に全体を把握する目線も必要になるでしょう。
照明デザイナーとして演出全般を担う前に、現場のライティング担当として経験を積むケースも多いようです。
照明デザイナーに求められる能力
照明デザイナーとして活躍するには、いくつかの能力が必要です。仕事を進める上で求められる能力について見ていきましょう。
周囲と協調し仕事を進める能力
照明デザイナーは、照明に関するさまざまな仕事に携わります。どの仕事であっても、周囲と協調する能力は必要です。
例えば、インテリアデザインや空間デザインには、依頼者が存在します。どのような照明デザインにしたいのか、依頼者の希望を聞き取り、適切なデザインを提案しなければなりません。
また、照明の演出や設置には、多くの現場担当者が関わっています。現場で働く担当者とも、コミュニケーションを取りながら仕事を進めることになるでしょう。
最新の流行に敏感
照明の製作やデザインには、流行に関する知識も欠かせません。照明にもはやり廃りがあり、最新のトレンドを熟知していれば多くの人に受け入れられるデザインを提案できます。
最新の流行を知るには、常に新しい知識・情報を得ようとする気持ちが必要です。新しい技術やインテリアの流行など、幅広い分野に対して意識を向けることが求められます。
好奇心を持ち続け、学んでいこうとする気持ちがあれば、流行に対して敏感でいられるでしょう。
照明デザイナーを目指す方法
照明デザイナーになるには、具体的に何をすればよいのでしょうか?これから目指す人が最初に何をするべきなのか、一般的な道筋を紹介します。
デザインやインテリアの学校で学ぶ
専門学校や大学には、デザインやインテリアについて学べる学部があります。経験や技術がない状態から照明デザイナーを目指すのであれば、専門としたい分野について学べる学校への進学を検討しましょう。
例えば、プロダクトデザインを専門にしたいのであれば、インテリアデザインやカラーコーディネートの知識があると有利です。
舞台演出の仕事がしたい場合は、イベント制作やライティングについて学べる学部が向いています。自分にとって必要な知識を学べる学部がどこなのか、探すところから始めましょう。
照明デザイナーの求人に応募する
すでに照明デザイナーの知識や経験がある場合は、求人に応募することも検討しましょう。
照明デザイナーの経験がないとしても、建築・舞台演出・照明製作などの技術があれば、経験者として採用される可能性があります。
転職を検討しているなら、求人情報一括検索サイト「スタンバイ」で照明デザイナーの仕事を探してみてはいかがでしょうか。
照明デザイナーの活躍場所
照明デザイナーは、さまざまな場所で働いています。就職・転職をする場合、どのような会社が候補となるのでしょうか?照明デザイナーとして活躍できる主な場所や、会社の特徴を紹介します。
メーカーやデザインの会社
照明デザイナーの中でも、照明の製作からインテリア提案をやってみたい場合、照明器具メーカーやインテリアデザイン会社などが就職・転職先の候補となります。
空間デザインや商業施設などの演出を手掛けたい場合は、建築デザイン・照明デザインの事務所で働くことが、活躍のきっかけとなるでしょう。
中でも、照明関係のデザインをメインに請け負っているメーカーや事務所であれば、照明デザイナーとして勤務できる可能性は高くなります。仕事内容を見極めた上で、就職・転職先の候補を絞り込みましょう。
舞台運営やイベントを請け負う会社
舞台照明の演出をやってみたい場合は、舞台運営会社またはイベント会社が転職先の候補となります。
ただし、舞台やイベントを運営する会社の場合、仕事内容が幅広い点には注意が必要です。募集されている職種は、照明デザイナーだけとは限りません。
運営全般に携わるスタッフの方が募集頻度は多いため、照明デザイナーの募集があるかを確認しましょう。現場の照明スタッフではなく、演出を手掛けたいと考えるのであれば、さらに求人内容の精査が必要です。
照明デザイナーに関するQ&A
照明デザイナーを目指す上で、仕事の将来性や関連する資格は気になるところです。Q&A方式で、気になる疑問点と回答を確認しましょう。
照明デザイナーの将来性は高い?
現状、照明デザイナーの数はそれほど多くありません。しかし、LED照明の普及によって低コストで照明を導入できるようになり、新しい技術も増えてきました。
維持コストが安く、さまざまな技術を使ってデザインができるなら依頼したいという人が増えていけば、照明デザイナーの需要も高まっていく可能性があります。
依頼の増加によって、照明デザインの専門知識を持つデザイナーも、将来性が高まっていくと考えられるでしょう。
照明デザイナーに必要な資格はある?
照明デザイナーになるに当たって、必須の資格は特にありません。依頼者が満足できるデザインを提供できるのであれば、大きな問題はないでしょう。
民間資格として「照明コンサルタント」や「照明士」などの資格もあるため、取得するのもおすすめです。
そのほか、実務に役立つ資格を取得することも検討しましょう。照明の設置を行うのであれば電気工事士、建築物の照明をデザインするなら建築士など、役立つ資格はさまざまです。
照明デザイナーの業務内容は多彩
照明デザイナーは、1つの仕事だけでなくさまざまな分野で照明のデザインを担当します。家庭・オフィス・都市空間・舞台・イベントなど、活躍する場所も多様です。
照明のデザインを仕事にしたいと考えるなら、学校などで専門知識を身に付けるか、求人を探して働きながら技術を身に付けましょう。
照明の専門家は数が少ないため、デザイナーとして活躍するまでには時間がかかる可能性がありますが、今後需要の増加も期待できます。